正式には「aiko”Love Like Rock~別枠ちゃんvol2”SPECIAL」という多少長いタイトル。スペースシャワーTVでした。何気なくテレビをつけて地上波のあまりのひどさにリモコンを押し続けていて発見しました。
始まって15分くらいだったのかな。何をやっているか知らずに「お、aikoだ」という感じで見ていてそのまま最後まで行ってしまいました。去年の10月に行われたオンラインライブの再放送でした。
最初は何のライブだか分からなかったんです。お客さんが入っていればライブの中継だろうな、と思ったんですが、その気配はない。でも、テレビのスタジオでもないよなと思っていたら無観客配信ライブでした。
ライブにしてはどこかよそよそしいなと思ってたら、途中で流れたスペシャルインタビューで彼女もそう言ってましたね。「久々すぎて途中までは他人同士みたいでそれが面白かった」みたいな話でした。
後半は、その硬さがどんどん取れてゆくのが分かりました。演奏や歌に熱がこもっていくのが伝わってきました。そういう変化が直に感じ取れるのは配信だからかもしれないなと思いましたよ。
ライブだと客席の熱気がステージを変えていきますし、どこからどこまでが歌と演奏、みたいな区別がない。一体になって”ライブ感”というのが出来上がってゆくわけですが、配信は、それがない。突き放されている。
ステージが変化してゆくのがクールに映されている。面白かったですね。一番感心したのは、歌と演奏に耳障りさが全くない。あまりいいテレビじゃないんで音声は極めてチープなんです。音楽には向いてない。
だからボカロ系のアーテイストの映像とか演奏はキンキンしたり刺々しかったりして、あまり気持ちよくなれない。カミサンはそういうのを受け付けないんで、一緒に見ることはほとんどないんですが、今日は違ってましたね。
インタビューでも20年近く一緒にやってるメンバーだから、と言ってましたけど、その呼吸の良さがさすがだなと。ライブ・アーテイストの面目躍如。それは、配信だから感じたことと言って良さそうです。
ライブができないという状態をどう感じていたか。NACK5「J-POP TALKIN’」のゲスト、GO!GO! VANILASの牧達弥さんが「ライブをやっている夢を見る」と言ってましたけど、aikoさんは、ライブが怖くなってゆく、みたいな話をしてましたね。
ツアーが流れるというのは色んな心理的なプレッシャーや重圧になっていくんだろうな、という一端を垣間見た感じでした。みんなそういう状況にいるんでしょうね。「J-POP TALKIN’」の前回のゲスト、斉藤和義さんのツアーも延期になってます。
でも、今日、ふっと思ったんですが、配信ライブがこれだけ楽しめるんだったら、10年後くらいに足腰が弱って車いすに乗るようになってライブ会場に行けなくなったとしてもライブは楽しめるんだな、と思ったんです。
何で急にそんなことを思ったのか分かりませんが、妙に安心したりしました。遅かれ早かれそうなるわけですから。そうなっても音楽のそばにはいられそうです、って何を書いてるんだ(笑)。
いきものがかりの配信ライブもあったんですが、明日も見られるということで、こうなりました。ということで、aikoさん、ライブの最後の曲「約束」を。また会おう、という「約束」が果たせなくなることもあると思い知らされる去年、今年です。じゃ、おやすみなさい。