美里さんの去年の12月の武道館のライブ映像が出るんですよ。5月26日発売。もう発表されてますね。そのブックレットにつけるライブレポートを頼まれたんですね。美里さんのアルバムの30周年盤4作にも書かせてもらってますし、二つ返事でした。
でも、書き始めてからさて、と思ったわけです。「ライブレポート」を書くのは好きですし、楽しいんですが、そういう記事は雑誌やウエブが多い、ライブ映像につけるというのはあまり書いてこなかったかなと。難しかったわけです。
なぜかというと、ライブ映像ですからね。どんなライブだったかは、丸ごと映像がある。雑誌にしろウエブにしろ終わってから書くわけで、多少のデフォルメができる。できる、というよりどんなデフォルメするかが腕の見せ所でもあるわけです。
例えば印象的だったシーンを取り上げて思いいれで書いて行ったりする。表情とかMCとか動作に思ったことを多少誇張して書くことでドラマチックになったりするわけですが、って手の内を明かしてますね(笑)。ライブレポートのコツですね。
でも、丸ごとライブ映像があるわけですから、誇張が通用しないわけです。答えがそこに書いてある。時間がかかってしまいました。でも、面白かったですよ。どんなライブだったか、だけじゃなくどう思ったか、かなり個人的な原稿になりました。
去年見た武道館公演は、あれだけでしたからね。ライブなき2020年の唯一の武道館で思ったこと。自分の記録のような原稿。ご覧になっていた方にとっても特別なライブだったでしょうから、共通体験に思って頂ければと思いました。
ライブ、良かったですからね。生の歌と演奏がこんなに心地よいということを実感させられました。美里さん、金曜日からかな、ツアーも始めてます。生涯「歌うたい」の真骨頂のようなライブが武道館でした。
でも、どんな形であれライブについて原稿が書けるのは幸せなことだと思いますよ。ライブを見て書くわけですからね。ライブがないと成り立たない。去年が気分的に最悪だったのは、その前提がなくなってしまったからですね。
今年がどうなるかは分かりませんし、仮に前のような状態に戻れたとしてもその時に僕の方が元気でいられるかという保証はありません、というようなことを書いてるとまた情けない話になりそうです。
というわけで、美里さんの武道館の一曲目「虹をみたかい」。彼女はステージに黒いマスクをして登場しました。客席も全員マスク。そんな異例のライブの記録です。じゃ、おやすみなさい。