今年は令和3年。まだ3年しか経ってないんですね。いや、2年しか経ってないというべきでしょうね。3年目。まだ三か月も経ってない。でも、その前との溝は大きい。どんどん深くなってくる気がしているのは僕だけでしょうか。
「MUSIC TIMELINE」もあと二週の収録を残すのみ。FM放送開始50周年の番組ですから、一年ごとに50年を辿ればお役御免なわけです。残っているのが「2017年」と「2019年」。明後日が「2019年」の収録。選曲と台本ですね。
明日がFM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の収録でほとんど使えないんで、今日、出来るところまでやっておこうということで半分以上まではやりました。2019年。令和元年だったんですよね。
だったんですよね、というのは、ほとんど忘れてたからですね。二年前ですよ。でも、何だかもっと前、ずいぶん時間が経ったような気がしてました。曲で言うと、米津さんの「Lemon」が、二年続けて大ヒットしていた年。
「Lemon」だけじゃなくて「馬と鹿」とかね。自分の作品だけじゃなくて菅田将暉さんの「まちがいさがし」とか、Foolinの「パブリカ」とか、ソングライターとしても驚異的な成功を収めた年。
あいみょんの「マリーゴールド」もあったりヒゲ男の「Pretender」がやはりいきなり大ブレイクした年。King Gnuが「白日」で衝撃を与えた年。明らかに平成とは違う顔ぶれが勢ぞろいした年でした。
それが二年前に思えない。米津さんもヒゲ男もKing Gnuももはやスーパースターだし、もう10年位やってるような貫録も感じたり。それも去年のせいという気がするんです。その人たちだけじゃなくて、それ以前からの人たちの見え方があっという間に変わってしまった。
なんでしょうね。去年のシーンがそれだけ異常だったことなんでしょう。いきなり顔ぶれが変わってしまった。平成までの音楽シーンというのが急に遠ざかってしまった。僕だけなのかなあ、と思ったりもしてますけど。
やっぱりライブがなかったからでしょうね。ライブなき一年というのが大きな溝を作ってしまった。去年から今年にかけてブレイクしている人たちはほとんどがライブを通過してない。それが当たり前になりつつある。
大げさに言ってしまうと歴史が途絶えた。2019年で止まってしまって、そこからどんどん離れて行ってる気がする。僕の歴史が途絶えた、ということなのかもしれませんけど、そういう感じなんです。
去年、ツアーやライブが中止になった人たちの「次」に間に合う保証はなにもない、もし、そうなったとしたら2019年で僕は終わったことになるわけですからね。そんなことを漠然と思いながら台本を書いておりました。
明日は3・11。東日本大震災も歴史の転機でしたけど、2020年もそんな年になるんじゃないでしょうか。震災の日、寒かったですよねえ。竹橋の毎日新聞から8時間かけて歩いたことは忘れません。
原発の廃炉はまだ先が見えない。汚染水も海に流される。除染も手つかずで帰れない村もある。比較は出来ませんが、コロナはワクチンが見つかれば状況は好転するでしょうから、やっぱり震災の方がダメージは大きい、ということですね。
あの時、原発の吉田所長さんは「東日本壊滅」を覚悟した、という話がありました。でも、そんなことすら政治は忘れてしまってるみたいですし。うーん、悲観的だ。新聞もテレビも連日、震災のその後を追ってます。
すぐに涙が出てしまうのは年のせいもあるんでしょう。というわけで、曲ですね。2019年、GLAYの「元号」を。去年、4人のインタビューしたのがもう何年も前、みたいな感じです。じゃ、おやすみなさい。