新年一日目。2021年元日。あなたはどんな日だったんでしょうね。昨日と今日、何が変わったとか、何が新しくなったというわけではないのに、どっか違いますね。人間の心理というは面白いですね。これも知恵なんでしょう。
街の空気は明らかに違います。家族連れも多いしカップルもくつろいでいる。そのせいもあるんでしょうけど、お昼前に仕事場に行って何となく仕事モードになろうと思ったんですが、机でウトウトしたりして、そういう感じゃなかったです。
気分転換に駅前まで行ったら、喫茶店「サンマルク」が開いてたんで、年末に京都で行った松本隆さんのインタビューのテープ起こしをしてました。テープ起こしというのは、インタビューの文字起こしですね。
あれ、好きじゃないんです。自分のインタビューを聴き直して、それを書き写してゆく。下手なインタビューだなあとか、自分で突っ込みたくなる。仕事場だといろいろ気になってしまうんで、喫茶店の方が余計なことを考えないで出来るんです。
で、家でカミサンと一緒に久々のビールを飲んで、拓郎さんのラジオを聴きながら書いてます。タイムフリーじゃないですよ。リアルタイム。元日からやってるとは思いませんでした。いつも二週目だと思ってましたからね。
そうか、2021年の元日は、松本さんと拓郎さんなのか。70年代に一番、好きだった作詞家と影響されたシンガーソングライター。もちろんそういうのは、勝手な思い込みと意味付けなんでしょうけど、ちょっとしみじみしてますね。
今、松本さんのことを書いているのも、自分の中では必然性があるんです。この話は本人にしたことはありませんし、書いたこともないんですが、70年代の初め、僕は放送作家でしたからね。喜多條さんも同じ文化放送で仕事してました。
彼は歌謡曲の番組でした、って今頃そんなことにこだわってどうする、ですけど(笑)。岡本おさみさんはニッポン放送で同じような仕事をしてました。フォーク・ロック系の番組の構成をする人は少なかったんです。
で、二人が作詞で売れましたからね。僕は落合恵子さんの台本とかも書いてましたから「作詞しませんか」という話があったりしたんです。やって見たことあるんです。でも、どうやっても、逆立ちしても松本さんのようには書けない。
しかも、一方には拓郎さんのようにシンガーソングライターも続々登場してきた。彼らが書く言葉の方がはるかに刺激的でした。どう転んでも自分で書けるとは思えませんでしたからね、早々と諦めた、ということがあったんです。
今思えば、良かったと思いますよ。もし、その頃にその気になって作詞家の色気を出したりしたら、こんな風に他人が書いた曲について客観的に話したり書いたり出来なかったりしたでしょう。
松本隆さんのことを改めて辿ろうと思ったのも、その頃のことがあったからでもありますね。50年分の敬意を込めてる。妙な道に進むのを辞めさせてくれたという感謝もあるかもしれません。
で、2021年。74歳の元日を、松本さんと拓郎さんで過ごしている。僕の中では極めて納得の新年になってるわけです、と、ここまで書いて、拓郎さんが、ダウンタウンズのリーダーのMさんが年末になくなった、と話してました。
ショックだったでしょうね。去年、広島で4人が会った、という話をしてましたもんね。その時にお互いの葬式には行かないという約束をした、と言ってました。それが現実になってしまったわけですね。
元日そうそう、なくなった話で恐縮ですけど、そういう年齢なんですよね。そんな話の後にあいみょんの詞のことを話しているのが拓郎さんらしいです。拓郎さんの「あいみょん」論、的を得てました。当たり前か。
というわけで、ラジオを聴きながら風呂にでも入ります。曲ですね。2021年最初の曲、拓郎さんの「ROLING30」を。作詞・松本隆。今や二人とも「ROLLING70」です。すごいな、今年最初の曲がこれか(笑)。あんな時代もあったよね、ということで。これはみゆきさんか(笑)。じゃ、おやすみなさい。