美里さんのデビュー35周年ライブ。良かったですねえ。記念の年だったにも関わらず、元旦に渋谷公会堂でライブを行って以来だそうです。今年予定されていた記念ツアーも中止。つまり、実質的には今年最初で最後と言っていいでしょう。
客席は半分。全員入り口で消毒と検温。マスク着用で掛け声も一緒に歌うことも、会話すら禁止という駄目ごとだらけ。出来るのは拍手と身振りだけ。でも、それが無言の熱量になっているという想いのこもったライブでした。
もちろん、それを一番感じたのが彼女自身でしょう。歌えない状態にため込んだストレスやうっ憤を全部吐き出す、全部を歌に注ぎ込む。圧巻の歌唱。思い余って涙ぐむシーンもしばしばでした。
ゲストに出たのが怒髪天の増子直純さんと上原子友康さん。男気の代表選手のような二人と堂々と渡り合って一緒に歌う。テンション、高かったです。ありがちなセレモニー感がない。ロッカー二人が思い切り楽しんでコラボしてる。清々しかったです。
彼女は武道館が似合います。堂々とした歌いっぷりと声量。若い頃よりもはるかに存在感がある。正しいキャリアの重ね方という感じでした。来年は全国ツアーに出る、と宣言しておりました。
僕も今年最初で最後の武道館。少なくとも去年来てから一年は経っているわけです。こんなに間が空いたのはこの仕事をして初めて。九段下の駅から坂を上って大手門をくぐる時は熱いものがこみ上げそうになりましたよ。
「武道館だよなあ」という感じ。昔、リンドバーグという大西洋横断飛行を成功させたリンドバーグ飛行士の有名な「翼よ、あれが巴里の灯だ」というセリフほどじゃないですけど、改めて足を踏みしめる感じでした。
会場の写真を撮るファンの方が多くみられたのも同じような気持ちだったんでしょうね。異例、というのは、それだけ印象が強いことでもあるわけですから、今年、こういう形でライブをご覧になった方はどなたもそう思われたのではないでしょうか。
NACK5「J-POP TALKIN’」の新年最初のゲスト、Chageさんの完パケを終えました。今年の収録物は終了です。後は、短い原稿が二本。終わったも同然ですね。それにしてもすごい年だったなあと思いながらライブを見てました。
でも、やっぱりライブはいいなあ、武道館、好きだなあと。今日のライブは、きっと一生忘れないでしょう。今日の感染者数、最多。949人。来年は大丈夫か。そういう空気が今日のライブを渾身のものにしてました。
というわけで、曲ですね。何だろうな。まさかこの曲をあんなに激しくライブの大詰めでやるとは思いませんでした。パンク少女だった高校生の頃を歌った曲。90年のアルバム「tokyo」の中の「恋するパンクス」を。じゃ、おやすみなさい。