というアルバムがあります。発売は2000年。プロデユーサーは松本隆さん。全曲の作詞もしてます。次回のスタジオ・ジブリの機関誌「熱風」の連載「風街とデラシネ・作詞家 松本隆の50年」で取り上げる一枚です。
松本さんは、90年代に入って活動を減らして「休憩期間」に入るんですね。ポップスの仕事をほとんどしなくなって古典の勉強をしたりクラシックに日本語をつけたりしてました。復帰のきっかけになったのが氷室さんの「魂を抱いてくれ」だったんですね。
で、97年にKinki Kidsの「硝子の少年」が大ヒットして再びポップスの最前線に戻ってくるんです。2000年代に入って最初に発売されたアルバムが「AURA」です。クミコさんは、それまでシャンソンを主体に歌っていた女性。その時すでに40代でした。
99年に松本さんが10年ぶりに松田聖子さんに書いた「永遠の少女」が出て、その後。聖子さんとは違う大人の女性を描いたアルバム。「少女性」と対比した言葉を使えば「娼婦性」ということになります。ポップスや流行歌では登場しないような女性が主人公ですね。
たとえばヤクザの妻とかね。売れない詩人を看取った娼婦とか愛人の歌。作曲には細野晴臣さんとか鈴木慶一さん、筒美京平さん。かなり凝った作りになってます。でも、2000年ですからね。日本の音楽業界が一番儲かっている時、バブルですね。
世の中の流れに逆行したようなアルバムが商業的は当時は、そういう結果に終わってしまったわけです。でも、今、聞きなおする意欲作。演歌とも違う裏町の女性の歌。聖子さんの「永遠の少女」とは対照的。その二枚をどう語ろうか、と。ま、そんな一日でありました。
膝、昨日よりもいいです。一両日で痛みは取れそうです。思ったより早い。まだ若いからね(笑)。明日はライブなんです。六文銭。お誘いがありました。日本青年館の竣工3周年ライブ。青年館が新しくなってから初めて行きます。
感染対策を、という念押しの一文もついてました。気をつけます。というわけで、曲ですね。クミコさんのアルバム「AURA」から「接吻」。大人のエロチシズム。素敵なラブソングです。じゃ、おやすみなさい。