月曜日の話です。大阪で二つの番組に出して頂いたんですね。一つはFM COCOLOの「THE MAGINIFICIENT FRIDAY」、もう一つは、FM802の「BINTANG GARDEN」という番組。前者のDJが加美幸伸さん、後者が大抜卓人さんでした。
それぞれに楽しい時間だったんです。特に加美さんとの話は感動的でもありました。え、そんなことがあるんだ、と思わされました。彼は、50代の後半に差し掛かろうとするベテランDJ、と言っていいでしょう。
何が感動的だったかというと、彼が子どもの頃からラジオキッズで、何と、小学生の時に文化放送の「セイ!ヤング」のヘビーリスナーだったというんです。特に落合恵子さん、と言われてました。小学生ですよ。
しかも大阪です。東京じゃありません。大阪には大阪に人気番組がいくつもありました。その中で「セイ!ヤング」を聞いてくれていた。そういう方が、大阪のラジオの現場で活躍している。その人の番組に呼ばれている。
こういう経験は初めてかもしれませんよ。アーテイストにとっては珍しくないとは思うんです。自分が小学生の時に夢中になって聞いていたアーテイストと一緒のコラボしたりという例ですね。でも、ラジオ番組ですからね。
おまけに僕は裏方だったわけですし、そういう人はもう業界にはほとんどいなくなってます。当時のラジオで仕事をしていて、今もラジオにいる人はほんとに少ないです。繰り返しになりますが、大阪、ですよ。
彼は、氷室さんの98年の「ONE NIGHT STAND」ツアーの横浜スタジアム公演に、ギタリストのステイーブ・ステイーブンスの取材で現場にいた、というんです。同じ現場に全く違う目的でそこにいた。
70年代半ばから20年後、それまた20年以上経って大阪のラジオのスタジオで一緒になった。こういう話、好きなんです(笑)。報われた気がしましたよ。で、もうお一方、大抜卓人さん。彼は氷室さんにインタビューしたことのある数少ないDJでした。
面白かったですよ。いつのアルバムの時かはうっかりして忘れてしまいましたけど、まだ彼の前で「BOO/WY」という言葉が禁句だった頃に、思い余って台本を外れてしまってBOO/WYについて訊いてしまったんだそうです。
周りは凍り付いた中で氷室さんは、本気で答えてくれた。そればかりか、その後のライブの前説を頼まれたんだそうです。あんなことしてしまって良かったんでしょうか、と言われるんで、本気で質問したと思われたんでしょうね、と答えました。
ひょっとしたら殴られるかもしれない、という覚悟で訊いてきた、適当に仕事でやってるんじゃないと思われた。自分の言葉で仕事をしている人、と思われたんでしょうね。そういう「氷室京介論」は、単なる番組のゲストというやりとりじゃなかったです。
仕事をする場所も過ごしてきた年代も違う。でも、好きな音楽は一緒、みたいな感じかな。ラジオはそういう人が支えてます。という「楽しい時間」。FM802とFMCOCOLO。同じ会社ということもあるんでしょう、風通しのいい局だなあと思いました。
というわけで、先週から続いていたドタバタスケジュール、何とか乗り切りました。でも、まだやれるじゃん、みたいな過信はありません(笑)。よたよたしてます。これが限界(笑)。で、曲ですね。
氷室さんの一曲を選んでほしい、と言われたので迷わずこれにしました。「Dear Algernon」。あの曲がなかったら、今回の本もなかったです。じゃ、おやすみなさい。