そういう本が出るんです。やっと書けます(笑)。作業は夏前くらいから進んでいたんですが、情報解禁というのが14日、つまり昨日でした。88年以来、氷室さんについて書いてきた原稿のほとんどが収録されてます。
ファンクラブの機関誌「KING SWING」でのインタビューやライブレポ―ト、CDやDVDのレビュー、エッセイ、色んなタイプの原稿があります。長いものも短いものも、ですね。記事によってとか、テーマ別にとかしてません。年代順ですが膨大です。
出版はKADOKAWA。以前は角川書店と言ってましたけど、今はそういう表記です。「別冊カドカワ」の編集長が作ってくれてます。事務所に残されている原稿を全部集めて文字起こしして整理してくれました。
大変だったと思いますよ。ばらばらの原稿ですし、掲載誌も違ったりする。一回のインタビューで何誌かにかき分けたりしていたこともありますし。同じような原稿もないわけじゃない。そういうのもチョイスしたりしてくれました。
僕も全部目を通しましたけど、読み応えありました。改めて思い出したり再認識したり、結構、感動しました。全部が僕の原稿ですからね。こういうアンソロジーにありがちな、色んな人が書いたものをまとめたという作り方をしてない。
自分でいうのも変ですけど、だから読みやすい。すいすい読めるし、どんどん引き込まれている。大長編を読んでいる感じ。当たり前ですよね。それだけの時間が記録されているわけですから。僕の見方が少しずつ変わってきたのも分かります。
二冊あるんです。「1988~2007」と「2008以降」。それぞれが600頁。合計1200頁。そこにデータ的な要素も入るでしょうからもっとあることになります。二冊が分冊になって箱に入ってます。
僕も見てなかったんです。KADOKAWAの方から「こういう形にしようと思います」と提案された時に値段を聞いて、実はビビったんです。12000円ですからね。え、高くないの、と思ったんですが、「本物をご覧頂ければ納得されますよ」と言われました。
「展示会に見本を展示しますから、ご覧になってください」と言うんで、昨日、行ってみた、という次第。なるほど、でした。立派な本です。布製で分厚い箱に入っている。単なる書籍化ではありませんでした。まさに永久保存版です。
自分の書いたものがこんな風に形になるんだ、というのは書き手冥利に尽きるでしょうね。ひとりのライターがこれだけ長く書いている例もそんなに多くないでしょうし。よくこれだけ書かせてくれたなあ、と思います。
昨日の展示会にもその中からの文章の抜粋が結構ありました。事務所の方から「使わせて頂きます」と言われて「いかようにも」とお答えしたんですが、効果的でした。特に、2014年の横浜スタジアムの時の写真ですね。
あの骨折と落雷が重なったありえないような劇的な一夜。そのことを書いた文章が写真に添えられてました。自分の文章で泣きそうになる、という経験を初めてしました。妙な言い方ですけど、本気で書いていたんでしょうね。
そういう本なんです。氷室さんという人が、中途半端な仕事ノリを受け付けない人ですし、こちらもそういう覚悟がないと太刀打ちできない。その軌跡をお読みいただけると思います。と言ってもまだ終わってません。新たに加える原稿もこれからです。
そうだ、今、本屋さんに置かないんですね。予約優先。でも、全国の主な蔦谷書店では特典つきで受け付けているようです。見本もあるのではないでしょうか。あ、発売は来年2月18日。色んな企画が用意されているようですが、僕も知らないんです(笑)。
ということで、明日は佐野元春さん。FM COCOLO「LEGEND FORUM」の後半の収録。曲ですね。氷室さんのことを書きながら佐野さん(笑)。コヨーテバンドと一緒にやっている新曲「エンタテインメント!」を。じゃ、おやすみなさい。