FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の7月の「ライブ盤特集」の二週目。「代々木」のライブ盤はやりましたからね。尾崎さんとCHAGE&ASKA。東京の由緒あるライブ会場という意味で欠かせないのが野音ですね。
戦前からある音楽堂で行われた伝説のライブということで選んだのが71年の岡林信康さんの「狂い咲き」と76年の矢沢さんの「THE STAR IN HIBIYA」の二枚。”フォークの神様”と”カリスマロックスター”。対照的な二作です。
岡林さんは、68年のデビュー以来4年間の全曲を作った順に歌うというライブ。アナログ盤の3枚組でした。前半がギターの弾き語り。後半が柳田ヒロさんのバンドをつけてました。はっぴいえんどとは違う演奏が聴けます。
71年7月ですからね。その後、8月に中津川の「フォークジャンボリー」があります。岡林さんは、その後、ライブ会場から失踪したり迷走を深めてゆくというターニングポイント。彼の集大成と言えるライブでした。
矢沢さんは76年の7月。ソロの二枚目のアルバム「A DAY」を出した直後。その前の年、75年の4月にキャロルの解散コンサートを行って一年後。「帰ってきたぞ~」というシャウトもあった凱旋ライブでした。
バックがミカバンドのメンバーでサディスティックスを発足したばかり、高中正義さんや後藤次利さんの熱演をバックに歌う矢沢さんは溌溂としてます。客席でお客さん同士でもめているような、当時の客席の様子もうかがえます。
岡林さんは、見てなかったんですが、矢沢さんは見てました。皮ジャン、リーゼントのキャロルとは違うステージに驚かされたライブでした。「STAR」という言葉に目から鱗だった記憶があります。
ロックがまだ市民権を持っていない時代。スターと言えば芸能界というイメージがある中で”ロック”と”スター”という言葉が合体した。メジャー感がありました。矢沢さんはロックをメジャーにした最大の功労者でしょう。
60年代から70年代にかけての野音は政治集会の場所でしたからね。野音に集合して国会に向かう。ステージにはセクトの旗が掲げられ、スローガンが垂れ下がっている。そこが音楽の場に変わって行く。そんな時代でした。
野音伝説。まだいろいろありますが、まずは、その二枚で。ライブ盤特集、名残惜しくなってます。でも、さすがに三か月連続はやりすぎでしょうから、7月一杯。後三週ですね。
昨日書いたこと、読み直して若干恥ずかしかったです。書き過ぎ。少し消しました。ということで、曲です。矢沢さん「恋の列車はリバプール発」。同じライブの一曲目と最後の曲でした。カッコいいっす。じゃ、おやすみなさい。