FM NACK5「J-POP TALKIN’」のインタビュー。彼女は今年がデビュー35周年。7月1日に3枚組ベスト盤「harvest」が出ます。美里さんのインタビューは去年のアルバム「ID」が出た時以来丸一年ぶり。恒例ですね。
恒例になっているのは、やっぱり同時代性に尽きますね。初めてお会いしたのはデビュー翌年。一緒に番組もやってましたし、西武球場のライブもずっと見てきました。80年代から90年代を代表する女性。それでいて懐古的な姿勢にならない。
それだけ長く取材しているにも関わらずインタビューのシリアスさは変わりませんね。俗にいう”なあなあな空気”が一切ない。より言葉を選ぶようになってる。インタビューは夜だったんですが、朝からアルバムにかかりっきりでした。
アルバムは「LIVE」「LOVE」「LIFE」というテーマに分けてファンが希望した曲が主体。3枚組42曲ですからね。発売前ですから、まだ資料も不完全。どの曲がいつのものでどのアルバムに入っているかを確認しながら聞いてゆくと言う作業でした。
でも、35周年ですからね。アルバムの話の中に、そういう時間をどう織り込んでゆくのか。何か材料があるといいな、と思って見つけたのが「月刊カドカワ」でした。この話は、また改めますけど、80年代終わりから90年代前半の彼女の特集号が何冊かありました。
その頃の発言がとっても興味深かった。その頃に話していたことがちゃんと今の彼女の生き方になっている。渡辺美里というアーテイストがどういう生き方をしてきたのか、その頃の発言が、その場の思い付きじゃなかった、など改めて証明された気がしました。
普通は、20年前の発言を持ち出すと嫌がられたり、冗談で終わってしまったりすることが多いですけど、彼女はそうなっていない。35年間ぶれてこなかった。そうやって大人になってきた。興味深いインタビューになったと思います。
彼女も35周年ツアーが来年に延期ですからね。そうなった時の心境も話してくれました。私がおたおたしてはいけない、と腹を決めました、という言葉が印象的でした。大声を出すことが仕事なんです、「密」じゃないライブはライブと言えないよね、と苦笑いも出ましたよ。
プロ野球は無観客で開幕。開幕出来たのは喜ばしいの一言ですね。とはいえライブはねえ。無観客ツアーというのはどうなんだろうと。美里さんの言葉じゃないですけど、そこに人が集まるから感動がある。みんなが声を出すから共感も生まれる。
何とかこの苦境を乗り切って、来年、ライブ再開を迎えたい。同感としか言いようがありません。オンエアは7月の前半二週です。というわけで曲ですね。新曲です。「冒険者たち」。仕事場にあった「月刊カドカワ」に「みさっちゃんの大冒険」という特集号がありました。
35年間の冒険の歴史。ひとりの冒険がみんなの冒険になっている。そんなアルバムのようでした。じゃ、おやすみなさい。