という番組をやってました。BS朝日。夜9時から11時。初めて見ました。週末にこんなに家にいることは、今まであんまりなかったですからね。ライブが終わって帰る頃には、終わってますし、そういう番組をわざわざ見ようとは思いません。ライブがないですからね。
何となく新聞のラテ欄を見ていて、こんなにテレビつまんないんだ、と思いつつ、ふっと目が留まりました。まあ、スタジオにコメンテーターがいて、分かったような話をして、というお決まりのパターンだろうなと思ったらそうじゃなかったです。
ナレーターとインタビュー取材のみ。合間に歌っているシーンやニュース映像が入る。オーソドクスなドキュメンタリーでした。音楽ドキュメンタリーというより人間ドラマが中心。でも、それぞれの時代が踏まえられていて、約2時間、最後まで見てしまいました。
3人の女性歌手を通した戦後史、みたいになっていたからでしょうね。インタビューを受けていた服部克久さんとか中村メイコさんとか、タップダンスの草分け、中野ブラーズの中野昌三さんとか、その人たち自身がLEGENDのような人の話も説得力がありました。
ブルースの女王、淡谷のり子さん、ブギの女王、笠置シズ子さん、ジャズの女王、江利チエミさん。それぞれの冠もあって、少しずつ時期がずれている3人。どんな戦争体験があって、音楽とどんな出会い方をして、どんな結末を迎えたのか。
シングルマザーで子供を育てるために引退した笠置さん、高倉健さんと幸せな結婚をしながら、異父姉に裏切られれ莫大な借金を背負ってしまったチエミさん、最後まで独身でシャンソンを歌っていた淡谷さん。それぞれにドラマチックでした。
チエミさん、46才、笠置さん、70才、淡谷さん、92才。思いがけなかったのは淡谷のり子さんが渋谷のジャンジャンで定期的に歌い始めたのは70代になってからということでした。そういう女性だったんだ、と思いました。
でも、地上波じゃやらないでしょうねえ。しかも再放送でした。地味だけど誰かが書いていてもいいテーマですよ。当時の芸能メデイアには、そういうことを書こうという人はいなかったんでしょうね。と、僕らも下の人たちにそう言われないようにしないといけません。
というわけで、5月が終わりました。明日から東京はステップ2だそうです。通常営業のところも増えてきます。どうなるんでしょうか。曲ですね。江利チエミさん、「テネシーワルツ」。戦後最初のカバーヒットと言っていいでしょう。
日米講和条約の交渉に来日したダレス国務長官が、帰国のお土産にシングル盤を持って帰った、という話はこの番組で知りました。文化交流ね。いい話だなと。じゃ、おやすみなさい。