いよいよ来ました。緊急事態宣言。遅かったと言えば遅かったんでしょうし、中途半端と言えば中途半端なんでしょう。そういうことはともかくとして、東京が危機に瀕していることだけは間違いないんだと思います。
もちろん、東京だけじゃない。宣言が出された7都市だけじゃなくて、日本中がそういう状態にあるわけです。でも、僕は東京都民ですし、東京は世界で一番好きな街です。東京で暮らしていることに誇りも持ってます。
幸いなことに、今回の緊急事態宣言は、ニューヨークやロンドンなどの都市封鎖とは違うそうですから、食事や仕事で困ることはなさそうです。が、東京がどうなってゆくのか、ということについは不安いっぱいという感じです。
東京の良さって何だろう、と思うんですね。世界で一番混雑している満員電車が驚異的な正確さで走っているエネルギーに満ちた街。人とお金が行き交うビジネスタウン。官庁が集中している政治の心臓と言える街。個人商店や商店街に活気のある庶民の街。夜を徹した不夜城のようなネオンの街。
そして、音楽や映画、演劇、ファッションなどのアートの新しい才能がひしめいている文化の街。食の文化というのもあるでしょう。それぞれが東京ですよね。そういう色んなものが雑多に動いている世界で最も面白い街。そのどこをどんな東京を守ろうとしてるんだろうと思うんです。
やっぱりそうなったのか、と思ったのは”盛り場”に対しての扱いなんですよ。そんなもの不要だと言ってしまえばそれはそうですし、仕方ないことではあるんでしょうけど。僕もそんなところに行く年齢じゃなくなってしまいましたけど。でもなあ、なんですよ。
こじんまりした隠れ家のような飲み屋とか、気軽に音楽を楽しめる居酒屋とかバーとか。ライブハウスもその中に入るかもしれません。おばあちゃんの原宿、巣鴨も盛り場ね。何の後ろ盾もなく営業している人たちがたくさんいる。そういう場所が東京の懐の深さなんだと思うんです。
そういう場所を閉めてくれ、と要請する。でも、強制ではありません、と言う。感染を広めたいと思っている人はいないでしょう。そういうお店をやっている人たちは気のいい人たちだったりするわけです。その人たち、そういう場所を悪者にしてないだろうか。
バーやクラブの休業補償はしません、と総理ははっきり言ってました。でも、話の中に出て来たのは一日の売り上げが何百万というようなところですよ。そんなお店、銀座や六本木くらいにしかないでしょう。どっかずれてるよなあ、と。
エンターテインメントというのも不要不急のものじゃありません。でも、だからこそ意味があるんだとも思いますし。東京は持ちこたえられるんでしょうか。明日から、どんな日々になって行くんでしょうか。
というわけで、曲です。東京の歌、たくさんあるなあ。こういう東京が何だかなつかしい。沢田研二さん、「TOKIO」を。夜に飛べない東京になりそうです。じゃ、おやすみなさい。