東京のライブは行われず、地方へのツアーも延期に中止。連日のニュースでもライブハウスへの休業補償が取り上げられたりするようになりました。お店の関係者でもやむを得ず開いているという例もあるわけですから、そこが決まれば閉めやすくもなるんじゃないでしょうか。
幸運な事に、僕らはライブが全てじゃないわけで、自粛要請が出ている中でも原稿を書く仕事は行えます。というか、フリーランスの仕事は基本が在宅作業みたいなもんですから、いつも通り。”出勤”という行動はありません。毎日がテレワークです。
仕事場は、僕以外は使ってませんし、カミサンも来ません。一番安全な隔離施設と言っていいかもしれません。昨日も今日も大瀧詠一さん漬けでありました。スタジオジブリの機関誌「熱風」の連載「風街とデラシネ・作詞家・松本隆の50年」ですね。
実は、当初はみゆきさんの東北ツアーがあったんで、休載をお願いしていたんです。いつも入る原稿がなくなれば、編集部も困るわけで、でも、無理なら仕方ありませんとご了解いただいていたんですが、ツアーがなくなれば話は別。じゃ、いつもように締め切りをということになりました。
大瀧さんのアルバム「EACH TIME」と南佳孝さんのアルバム「冒険王」がテーマの月なんですが、これが難敵。大ヒットアルバム「A LONG VACATION」の次のアルバム。「ロンバケ」で果たせなかった一位を三週間続けたアルバム。名作です。
ただ、大瀧さんのオリジナルアルバムはそれ以降出てませんから「遺作」ということにもなります。そして、曲順の違うバージョンが色々出てます。オリジナルは84年、その後、86年に「Complete」盤、89年に全く違う曲順の盤、2004年に20周年盤、2014年に30周年盤もあります。
その全てが曲順が違う。マスタリングが違ったり、ボーナストラックが加わった再発は珍しくありませんけど、これだけ曲順が変わって例はないように思います。謎に満ちたアルバムということになるんでしょう。そして、こちらが色んな事を忘れてるんですよ。
何度も聞き直したり、残されているインタビューの資料を見たり。それなりに楽しい作業ではあるんですけど、それだけじゃない。松本さんと大瀧さん、それぞれにとってどんなアルバムだったかを考える。大瀧さん自身が音楽の研究者ですからね。これはハードルが高いです。
でも、「ロングバケーション」から「EACH TIME」に至る4年間に二人はほんとに名曲をたくさん残している。聞き直しているだけだったらこんなに楽しいことはありません(笑)。その時間はただの音楽ファン。昔も今もそうですね。
文字量、約9000字。ようやく書き始めたばかり。明後日までに終わるかどうか。明日も隔離作業(笑)。と言いつつスタバには行きました。頭が軽くなります。緊急事態宣言の後はどうなるんでしょうか。閉めないでくれ(笑)。
ということで、曲ですね。改めて聞いていて、やっぱりこの曲、好きだ、と思った曲を。「EACH TIME」収録曲ではありませんが、レコーデイング期間中に書かれた曲。ラッツ&スター「Tシャツに口紅」。動画のように情景が浮かんでくる曲です。じゃ、おやすみなさい。