という本があるんです。初版が出たのは86年かな。小説ではあるんですが、エッセイとルポがミックスされているフリースタイルな読み物。それぞれどのジャンルにも入らなそうで、みゆきさんならではの視点や表現が楽しめます。
一日、寝てました(笑)。眠ってはいませんけど横になって読んでました。そういう意味では諦めの境地。仕事する気にもならないし。そう言えばと思い出したのがあの本。発売された頃に読んで以来だったと思います。
彼女がプロになって上京してきた頃に出会った女性について書いてるんですが、読み直したかったのは「コーラス・ガール物語」という章。今回のツアーだけじゃなく、彼女のステージには欠かせないコーラスの杉本和世さんが主人公なんです。
コーラス・ガールというメインの場所には立たないけれど、歌い手としてはプロ中のプロ。彼女が、なぜそういう立場になったのか、どんなことを考えながら歌っているのか。メインの人だから分かる敬意と愛情が綴られている。参考になりました。
参考、というと妙に客観的かな。でも、ツアーがこのまま続けば、彼女に話を聞くこともあるでしょうし思い入れも変わってきます。コンサートツアーがいかに大変かということも当時、すでに書いてもいました。
もちろん、その頃はまだこんなに名声も手にしていないわけで、当時とは規模も待遇も天と地の違いはあるんでしょうけど、その分、背負っているものとか超えなければいけないものも比較にならないでしょうが、今回の「ラストツアー」の心境も伺えたりしました。
本の中に出てくるのは、上京してきた時に住んでいた外人用マンションで出会った外人コールガールや地元の友人、札幌時代の音楽仲間、ツアーの照明の女性スタッフ、ホテルのメイドさん、彼女が出会った女性ばかり。そこはノンフィクションみたいなもんでしょう。
改めて感じたのは彼女の視線でしょうか。繊細で優しい。相手に対してとっても謙虚で素直。”人好き”なんだなあ、と思わせてくれる本でした。そういう”人好き”さをどう表現するか、という欲求が後の「夜会」に繋がったのかもしれない、と思ったりしました。ま、今ごろ、という感じもあるでしょうけど、気分転換になりました。
それにしても、ですよ。コンサートやイベントだけじゃなくて学校も閉鎖。子供さんのいるご家庭は大変ですよ。感染防止というのは当然ですけど、今回のように全部を個人や民間に押し付けることで解決できるとは思えなかったりするわけです。
コンサートやイベントのスタッフはフリーランスも多いですし、事務所があっても決して大規模じゃないところがほとんど。仮に保険に入っていても感染は対象外。生活出来ない人も出てくるでしょう。泣き寝入りするしかないんでしょうか。
それも大事ですけど、検査体制を整えるとか、もっとやるべきことがあるという気がしてならない。もう手遅れなことも沢山あるでしょうし、その対策を取ることの方がまったなし、と思うのですが。先が見えません。
というわけで、明日も寝てるか(笑)。曲ですね。「女歌」の中で書かれていた外人女性がモチーフになった曲、「エレーン」を。じゃ、おやすみなさい。