いつでしたっけ。2月の初めだ。その時に一度書きました。1969年に発足したインデイーズ・レーベル「URC」の50周年に際してのベストアルバム「青春の遺産」ですね。先週、19日に発売になりました。
NACK5の坂崎さんの番組「K’s transmission」で取り上げて頂きました。来週も後編があるようです。アルバムについている前書きとか、選曲とか、色々、お褒め頂いて感謝しております。あの人にそう言ってもらえるとやった甲斐があります。
重ねての説明になりますが、URCというのは「UNDER GROUND RECORD CLUB」の略ですね。通称、アングラ・レコード・クラブ。頭文字をとってURC。日本で最初の大規模なインデイーズレーベルです。
フォークルや岡林信康さんの曲がメジャーから発売禁止や中止になったりしたことを受けて商業主義では紹介できない歌を届けて行こうという趣旨で始まった。当初は会員制組織で、反響が大きすぎて半年後には全国のレコード店と契約して置いてもらうようになりました。
岡林信康さん、五つの赤い風船、はっぴいえんど、高田渡さん、加川良さん、友部正人さん等々、もう、70年代前半のフォークロックの立役者が勢ぞろいしてました。みんな10代後半から20代前半。若かったんです。だから「青春の遺産」なんです。
ベスト盤の選曲を依頼されたのは去年の夏前。でも、実を言うと、最初は遠慮したんです。確かになくなったアーテイストは多いけど、関係者や当事者がまだお元気だったりするわけで、ただの聞き手だった僕には荷が重いと。そういう人たちをさしおいて出来ません、という感じでした。
僕は URCのフォークやロックにどっぷり漬かっていたわけじゃありませんし、彼らの曲をコピーしていたとかいうんでもない。もう仕事してましたからね、同時代、同世代として共感しながら見ている、という距離感だったわけです。
だからこそフラットに、ということだったんでやらせて頂きました。当事者的なこだわりよりも同時代、同世代的な共感で選んでほしい、ということで、それは力が入りました。3年前か、「大人のJ-POPカレンダー」を作った時にコンピレーションの面白さを満喫しましたからね。
僕らは、単なる聞き手。作り手に回ることは出来ません。作り手の喜びというのは味わえないんですね。でも、コンピレーションアルバムは、それが出来るんです。アーテイストが作ったものですけど、自分で選曲することで自分のアルバムのような思い入れが持てます。
そういう意味では今回は以前にもまして面白かったです。アルバム3枚組51曲。どのアーテイストから何の曲を選ぶか。選んだものをどういう曲順で並べるか。「あの頃どうだったか」じゃなくて、「あの頃、みんないくつで何を考えていたか」をアルバムの流れとして伝えたい。
60年代の終わりから70年代。誰もが自分の「生き方」を手探りで見つけようとしていた時代。それが歌になっている。50年前の若者たちの「どう生きるか」という葛藤の歌がURCだった、と思ってます。
DISC3枚を三つのテーマに分けてみました。「人生と暮らしの歌」「旅と街の歌」「愛と平和の歌」。どんな曲を選んだか。FM COCOLOの「J-POP LEGEND FORUM」の3月の特集で全曲を紹介しようと思います。5週間ありますからね。毎週10曲+1。明日は一週目、二週目の収録です。
J-CASTニュースにもコラムを書きました。もし、ご興味あれば。レコード会社のサイトとともに。坂崎さんが言っていた前文はそちらでお読みいただけます。
https://www.j-cast.com/trend/2020/02/18379854.html
https://news.ponycanyon.co.jp/2020/01/36757
というわけで、曲ですね。「J-POP LEGEND FORUM」3月の前TMを。斉藤哲夫さん「悩み多き者よ」を。じゃ、おやすみなさい。