一昨日ですね。去年の12月から始まっていたアリーナツアー「EDEN no SONO」の最終会場二日間公演の二日目。彼らにとっては初のアリーナツアー。チケットは即日完売でした。良かったです。これからのシーンを担うバンドだという証明のようなライブでした。
何が、すごかったか。情報量ですね。一つのコンサートが物語る情報。それは言葉数、ということだけじゃないです。音の情報量。一曲の中にこめられたもの。フレーズやコードや曲の構成。一曲の中に数曲分くらいの情報が詰まっている。
音の情報というのもあります。バンドの演奏に重ねられた同期。バンドの音でありながら表情や奥行きが多彩で饒舌。そこに照明や映像が加わってくる。曲によってスクリーンやムービングライトが全く変わってくる。それもメンバーのイメージだったそうです。
バンドのライブでありながらライテイング・ショーのような高度なエンターテインメントにもなっている。それでいて曲によっては内省吐露のような生ギターの弾き語りまである。そうなんです、高度な情報性を持ちながら人間的な息遣いもある。
この間も書きましたけど、Mrs.Greenappleのヴォーカル・ギター、大森元貴さんはまだ23才。ネット世代。コンピューターでも遊べる世代。そういう情報のツールを使いこなしている世代ならではの万能感がほとばしっている。
これは、米津玄師さんにも共通してるでしょうけど、ジャンルが全くないんです。ロックだとかソウルだとか、既成のジャンルやカテゴリーが全く意味をなさない。一曲の中に、そういう情報が詰め込まれている。
圧倒されました。時間は2時間強ですから、そんなに長くないんですが、3時間くらい聞いた感じの手応えでした。時代は変わってるんだなあ、という実感。これを新しい世代というんだろうなあ、という納得。今年はデビュー5周年です。
ということだけじゃないですね。最後のメンバーの挨拶ではベースの高野さんとギターの若井さんが感極まるというシーンもありました。そういう他にあんまり例のないバンドですから、ライブハウス苦闘期もあったんでしょうね。
第一章の区切、という話もしてましたが、インデイーズ時代の曲があったせいもあるんでしょう。お客さんが数人のこともあった、と話しながら号泣。そういう姿は初々しくて人間的、青春してました。
ギタリストがあれだけ泣いたのはいつ以来かなと思ったら、GLAYのTAKUROさんが初の東京ドームの時がそうだったな、と。彼らがドームのステージに立つ時は、そういうシーンが見られるかもしれません。
というわけで、曲ですね。本編最後の曲、アルバム「Attitude」の最後の曲でもありました。「Folktale」という曲を。民話、ですね。こういことを歌えるというだけで将来が楽しみ、という一曲です。マスク、ありがとうございました。じゃ、おやすみなさい。