昨日、NHKホールで聞きました。「え、ほんと」「嘘でしょ」という感じでした。誰もが思ったでしょうけど、まさかこの時期に、ですよ。今年はデビュー30周年。もうすぐセルフカバーアルバムが出る。その後にもまだまだ企画が続いている。
普通で考えれば、ありえないことになるわけですが。その辺はもはや何とも言えないということになるのでしょう。でも、そういう状況であればあるだけ「そのくらい怖いものだ」という印象付けることに効果的なことはまちがいありません。
彼に何があったんだ、というのが「謎」ですね。少なくとも、以前捕まった時とは状況が違います。あの頃は自分の音楽を見失っていた。今は全く違います。自分のレーベルも持ってるし、音楽活動は順調です。なぜだ、と思うわけです。
「疑問」というのは、逮捕の理由なんです。「二年前に持っていた」ということですよね。当時、自宅から発見されていた。でも、「自分のものではない」と否認されていたというものです。
その時は、一緒に暮らしていたというパートナーが捕まって、槇原さんは、現場にいなくて、そのままになっていた。その時のことが逮捕理由なわけです。持っているところを見つかったとかの現行犯じゃありません。
メデイアの人たちは、警察が、それが彼のものだという新証拠を見つけたんだろう、と言ってます。見つけたの「だろう」です。でも、警察は、それがあったとも、本人がどう言ってるかも明らかにしてないようです。
新しい証拠はあったのか、それがどういうものだったのか。それを知らされないまま逮捕が先行して、彼が再犯を犯したという決めつけが独り歩きしてる。一夜明けたら犯罪者扱い。もし、彼が否定して証拠不十分で不起訴になっても、もう取返しがつかないでしょう。
これは弁護士さんに聞かないといけないんでしょうが、「疑問」というのは、「時期」なんです。どのくらいまで遡れるのか。仮に「5年前」だったとしたら、どうなのか。その時に見つかったものが「本物」だったと判明して逮捕できるんでしょうか。
まあ、殺人犯なんかだと、時効が来るまでは、そういう新しい決定的な証拠が見つかったことで解決することもあるわけですから、可能なんだとは思うんですが、それと同じことなのかどうか。そこまですることなのかどうか。今の状態は判断材料にならないのか。
即断したくない。決めつけたくない。何があったのか、冷静に見てゆきたい。そして、何よりも音楽を引き換えにしたくない。音楽を葬ろうとしない。「罪」と「人」、あるいは「罪」と「音楽」を分けて考えたい。
それにしても衝撃は大きいです。あんなに才能のある感受性豊かなシンガー・ソングライターを、こういうことで失いたくない。葬りたくない。でも、これだけは言えると思ってるのは、彼の書く曲は好きだ、ということ。「回収」とか「禁止」にはなっていいわけがない。
これは、彼に限りません。洋邦を問いません。ビートルズでもストーンズでもドアーズでもジャニス・ジョプリンでもジミ・ヘンドリクスでもそうです。彼らの音楽は多分、一生好きだと思います。曲に罪はありません。というわけで、「世界で一つだけの花」を。じゃ、おやすみなさい。