・FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」2月の特集「寺本幸司」さんの三週目と四週目のアーテイストです。キャリアとしては下田さんの方が早い。68年にデビューして、70年には東京キッドブラザースの音楽担当としてニューヨークにも行ってます。
・下田さんは、1948年生まれ。桑名さんは1953年生まれ。世代は少し違うんですが、二人は良いコンビでした。代表作、あの桑名さんの「月のあかり」があります。作詞・下田逸郎、作曲・桑名正博ですね。
・その両者をプロデユースしていたのが寺本幸司さん。彼の話をする時に、必ず出てくる男性二人です。女性は浅川マキさんとリリイであります。順番はマキさんと下田さんが少し早くて、リリイと桑名さんが同じ頃ですね。
・桑名さんは、関西の人気バンド、ファニーカンパニーのヴォーカル&ギター。ソロになって「哀愁トウナイト」とか「セクシャル・バイオレット・NO1」などのヒットを飛ばした。ブルースと歌謡曲、ロックをミックス、渋い歌が魅力的でした。
・で、明日が収録ですからね。昨日と今日は二人の資料をあさっておりました。それが大変なんですって、ぼやきか(笑)。頭に入らない。あの曲はどのアルバムだっけとか、あのアルバムは何年だっけとか。何回調べても頭に入らない。
・そういう意味で言えば、二人ともどこか「知られざる」みたいな感じになってしまってますよね。オリジナルアルバムも再発されてなかったりインタビューが残ってなかったり。特に下田さんですよ。東京キッドブラザースもそういう存在になってます。
・好きだったんです。寺山修司さんとか唐十郎さんという“アングラ”の巨匠の中では一番好きでした。キッドはロックミュージカルでしたからね。しかも深夜放送みたいな青春があった。彼らがニューヨークで人気になった「黄金バット」の音楽が下田さんでした。
・70年ですよ。片道切符でニューヨークに渡った日本人ヒッピー達。オフオフブロードウエイで上演していた時に、ニューヨークタイムスで絶賛された。海外で評価された最初の日本人ミュージカルでしょう。
・でも、下田さんは帰国後、東由多加さんと決別。ソロのシンガーソングライターでデビュー。石川セリさんの「セクシー」とか、ヒット曲もあります。どこか隠微で官能的な大人のラブソング。我が道を行く、という存在でした。
・それだけじゃないです。彼はメジャーと一線を引いてインデイーズ活動。しかも、旅から旅という流浪生活。そういうライフスタイルのシンガーソングライターはなかなか思い当たりません。世捨て人、みたいな生き方で音楽を作り続けている人ですね。
・彼は70年代の初めに文化放送の「セイ!ヤング」のパーソナリテイーをやっていて、その頃に何度か話しただけなんですけど、どっかで気になっていた。寺本さんがいるからなんですが、自分の番組で特集するのは初めてじゃないでしょうか。
・何でしょうね、先週辺りから、そういうモードですね。今野さんがなくなったこともあるんでしょうね。自分のやるべきこと、みたいなことをぼんやりと考えたり。明日も、そんな収録になるのかもしれません。
・そんなに先、長くないしなあ、みたいな感じ。というわけで曲です。桑名さんの名曲「月のあかり」を。この曲の制作秘話も明日、聞けそうです。じゃ、お休みなさい。