書いてからしまった、と思いました。渋公、じゃないんですね。LINE CUBE SHIBUYA。栄昇さんも何度も言いなおしてました。やっぱりどっかまだ馴染んでない。それは、名前だけじゃない気もしましたよ。
先日のASKAさんの時も感じたんですけど、音が硬い、というのかな。良いとか悪いというんではなくて、音が浸みて行かない感じというのかな。音が若い。新しい。会場の年期を感じない。当たり前でしょうけどね。人間と同じですね。
ということではなくて、BEGINです。今年の3月がデビュー30周年。その直前の微妙なタイミングでのツアーというのが面白かったです。30周年と言いたいんだけど、言えない。どこかもどかしいという隙間のようなライブ。そういう時期だからこそのライブでした。
あまり聞けない曲、あまり見せてこなかったやり方のライブでした。いつにまして出たととこ勝負。等さんと優さんをいじりながら、栄昇さんが流れの着地を見つけて行く。型にはまらず演出もない。だからこそ彼らの人間性が伝わってくる。
今まで聞いたことのないエピソードがいくつかあったんです。一つは、上京してきた時のことですね。栄昇さんは、沖縄出身というとたいていの仕事が、インド人とかネパール人と一緒にされた。それは面白かったけど、ある時、ふっと思った、というんです。
俺は日本語も話すし、日本人なのに、と。音楽をやろうと思ったのは、それを伝えたかったからでもある、というんですね。そんな話を大袈裟にならずに笑い話のように軽く口にする。そういう経験してるんだろうな、と思いました。
もう一つ、はっとしたのは、沖縄の首里城が焼けた話をしながら、当時、那覇の王様がとっていたという”人頭税”の話をしていたんです。人間の頭数で徴収する税ですよね。石垣島や宮古島は沖縄本島の1、5倍だった、というんですね。
もちろん、首里城が焼けたのは悲劇ではあるという前提ですけど。本土の人間が描く悲話とは少し違う辛口の現実。それもさらっと口にするあたりが彼の人柄なんでしょう。そういう話も交えての宴会のようなライブ。BEGINにしか出来ません。
福岡から直行の渋公。ばてました。今週は、色々立て込んでます。明日は、矢井田瞳さんと加山雄三さんのインタビュー2本立て。両方ともNACK5「J-POP TALKIN’」。今野さんの後を助けてくれる新しいディレクターと一緒です。
というわけで、曲です。BEGINの90年代の隠れた名曲を。「防波堤で見た景色」。栄昇さんがニューヨークに行かされてホームシックになった時に書いた曲だそうです。浜田さんの「防波堤の上」と聞き比べてみましょう(笑)。じゃ、おやすみなさい。