キング・ヌ―。今年のバンドシーンの主役の一組。メジャーデビューは今年の1月だったというのもライブ会場では台風の目。デビューアルバム「Sympa」はレコ大の優秀アルバム賞に入ってました。最優秀作品はイエモンの「9999」でしたけど。
ライブは、ソニーのコンベンションで見ただけですね。約一年ぶり。音源を聞いたりMVは見てましたけど、ワンマンは初めて。すごかったです。衝撃的でした。今の多くの若いバンドの中では次元が違う感じでしたね。
ファンクやロック、ヒップホップ、色んな音楽がまじりあっているミクスチャー・ロック。それぞれの演奏の質の高さ。メンバー4人のパンキッシュなバトル感と対照的な一体感。それでいてどこか馴染みやすいメロデイー。歌モノ的な要素もある。
実は、コンベンションで見た時は、他の出演者と違い過ぎてこのレベルの高さに普通の音楽ファンが付いていけるかなと思ったりしたんです。ところが、ですよ。時代は変わってるんですねえ。あっというまの快進撃。ついに紅白も決まってしまいました。
今日のライブもそうでした。一曲目から凱旋公演のような盛り上がり、10代の女性ファンの黄色い声じゃなかったですね。もっと大人っぽいんだけど熱がある。自立していて分厚い歓声という感じ。しかも演奏はバトルなのに、随所で合唱です。
音楽ファンがついて行けるだろうか、なんてとんでもない。彼らの方が新しいものに敏感で寛容だったということでしょうって、お前が古いだけだ、と言われそうですけど(笑)。はい、そうなんです。今のリスナーの耳は確かです。
ヴォーカルを取っている二人、リーダーの常田さんと井口さんは芸大。中退と卒業。そういう意味では音楽教育を受けていると言って良いんでしょう。でも、そこに留まっていない、というか、その先へ行こうとしている。
刺激的でいて大人、でも反大人。異形にして正統、すごいバンドが出てきました。僕なんかの手に負えるようなやわな人たちではないでしょうし、あしらわれるのがオチなんでしょうけど、どっかで話を聞いてみたいと思いました。
ラジオのインタビューなんかやれません、と言われそうです(笑)。紅白、楽しみですね。台風の目、他をなぎ倒してしまうかもしれません。でも、今年の紅白、楽しみですね。というわけで、King Gnue「白日」を。じゃ、おやすみなさい。