・初めにお断りしますが、普段”浜省”とは言いませんし書きません。だいたいは”浜田さん”か”浜田省吾”というフルネーム。でも、先に”スタレビ”と書いてしまったら語呂もいいしつい短縮形、今日だけですって、どうでもいいか(笑)。
・で、昨日がスタレビのサンプラ。今日が浜田さんの国際フォーラム。どちらもさすがという言葉に尽きるライブでありました。何も二つ一緒に書こうと思っていたわけではないんですが、昨日、終演後、久々に「ちょっと行きますか」になってしまったんです。
・中野で飲んだのはいつ以来だろう。10年は経ってますね。で、戻ったらもうかなりの時間、そのまま寝てしまいました。そんな流れになったのもライブが良かったからですね。去年から続けている「還暦少年」ツアー、全81本の67本目かな。
・新作を持って回るツアーがそれだけの数になる。今、そういうバンドやアーテイストはほんとに少ない。すぐにアリーナクラスに行きたがる。その方が効率がいいからに尽きるわけですが、彼らはそこに行きません。それも80年代ライブ魂でしょう。
・何がさすがだったかというと、客席とのやりとり。お客さんを楽しませるという徹底したエンターテインメント精神。それも“楽しませる”という次元じゃない。”楽しませること“を”楽しんでいる“。客席の空気や心理を読み取ってそれを逆手に出来る。
・客席の反応が鈍かろうと敏感だろうと、それぞれのあしらい方が身についている。客席を立たせたり座らせたりするときのタイミングや説明の見事さ。そして、演奏曲の解説。あんなに曲の説明をするバンドはいないでしょう。
・“語らない”ことをスタイルにしている人もいますからね。彼らは違いますね。演奏と説明が一体。その方が曲を楽しめることを知っている。3時間を超える長さの三分の一はトーク。それも一つの曲になっているかのようでした。
・それこそ場数、でしょうね。折角来てくれたお客さんにどうすればまた来てもらえるか。その一体感の意味を知り尽くしている。それが昨日のライブでした。で、今日の浜田さんですよ。これがライブなんだ、という見本のようでした。
・一期一会です。普段は有り得ないようなことが不運にも起こってしまった時にどうするか。スタッフもミュージシャンもご本人も二度と味わいたくないと思ってるでしょうけど。こんなライブは意図的は絶対に生まれない。そんな偶然の産物でした。
・僕は電気系統のこととかコンピューターのことは全く分かりませんが、そういう偶発的なことが起きてしまった。それまでも、何となくいつもと違うような気がするみたいな感じはあったんです。でも、国際フォーラムは音の作りが難しいことでも知られてますからね。
・あそこは会場が大きいし高くて奥行きが深い。エコーとか客席の返りが他と全く違うそうなんです。でも、後半になってもっと思いがけない事態になった。コンピュター関連に何かあったんでしょうね。
・浜田さんも動揺したと思いますよ。それを支えようというバンドの心意気というかいきなり熱量が上がったように見えました。そこからすごかった。何かをかなぐり捨てたようなステージに突入していったんです。
・今は、メンバーの演奏でも音色や表情、色彩感とかコンピューターを同期させて加工もされてますからね。それがなくなった。使えなかったということなんでしょうね。結果的にでしょうけど、まさに80年代のロックコンサートを思わせました。
・ご承知のように今回の100%FAN FUN FANツアーは「Welcome back to The 80’s Partー1」。80年代前半の3枚のアルバムだけのツアー。まさにあの頃のロックコンサートだった。こういう書き方は不謹慎かもしれませんが、目から鱗、はい、興奮しました(笑)。
・関係者の方達にとっては屈辱、こういうコンサートを良かったと言われたらたまらない、というような夜でしょう。でも、これがライブなんだと思いました。そして、そういう時に底力、本領を発揮するのが80年代ライブ魂なんだと思った次第です。
・ライブで元気をもらう、というのは僕らも同じです。見ていて自分が若返ってゆくのを感じました(笑)。曲ですね。え、この曲で始まって、この曲もやるの、そして、この曲をこんな形で終えるのか、というライブです。あの3枚の中からお好きな曲を(笑)。じゃ、お休みなさい。