FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」11月の特集「太田裕美」の二週目のゲスト。一週目がヒャダインさんでした。彼は「松本隆大先生」と呼んでました。次のゲストが松本さん、と伝えると「この椅子に松本先生が座るんですか」と感慨深そうでした。
彼は1980年生れ。そういう年代の人たちにとっては「大先生」なんだろうなと再認識させられました。松本さんは、今、神戸在住。なかなか東京に出てこない中でわざわざ時間を割いて頂けたのは、ひとえに太田裕美さんのことだからでしょうね。
2000年に出た「太田裕美白書」という本の中で彼は「太田裕美はもっと評価されるべきだ」と話してました。確かに、松本隆=松田聖子、みたいなイメージがないとも言えないでしょう。スタジオジブリの「熱風」で彼の軌跡を辿ろうと思ったのも、それだけじゃないよな、というのが出発点でした。
やはりその本の中で「太田裕美は全てが実験だった」とも話してました。それまでの百恵さんや南沙織さんたちともユーミンやみゆきさんのようなシンガーソングライターでもない。その中間のような女性アイドル。それでいてその両方がやっていないこと。
曲の作り方もあるでしょうけど、一番大きかったのが、松本さんが書いた詞でしょう。聖子さんが年齢に応じて歌の内容も成長していると評価される前に裕美さんですでに実験済みだったりしてました。
70年代の”あっち側・こっち側”の架け橋になったのが彼女だった。というようなことも実はジブリの「熱風」で連載を始めてから分かったことであります。松本さんの特集は去年の「J-POP LEGEND FORUM」の1月にやっているんですが、その時はあまりに駆け足でそこまでの話にはなりませんでした。
でも、やっぱり緊張しますね。同年代でありながら実績が違う。僕はただの聞き手に過ぎませんから、というようなことは最近、妙に意識してしまうのは年齢なんでしょうね。この年になって、そうやって話をすることの怖さを実感してる感じです。
今年から来年にかけて彼も50周年。再評価の機運は高まってくるでしょうね。僕も何か形に出来ればと思ったりもしてるわけですが、ヒャダインさんたちの世代のように「神格化」している人も多いですから、どうなりますか。
今日は肌寒い一日でした。今は止んでますけど、雨ばっかり。被災された千葉の方達に追い打ちをかけるようなことにならないよう願うばかりです。大船渡高校の佐々木投手が千葉ロッテに入ることになったのは明るい話だなと思いました。
というわけで、曲ですね。太田裕美さん「最後の一葉」を。青春との決別感が沁みます。松本隆さんは、ずっと「青春」を歌ってきた詩人なんでしょうね。そんな話になればいいですが。じゃ、おやすみなさい。