という映像商品が出ます。1989年7月17日、東京ドーム。平成元年ですね。REBECCAはアルバム「BLONDE SAURUS」が出たばかり。絶頂期のREBECCAの記録です。で、NOKKOさんのインタビューがありました。
「毎日新聞」から打診があったのは、昨日ですよ。「明日、NOKKOの取材をしてもらえないか」。「え、明日ですか」というやりとりで急遽決まったインタビュー。出先の方に届けてもらって映像を夜に観て臨むという泥縄。最近、こういう例は少ないですね。
これまで、NOKKOさんはあんまりその頃の話をしたがらない、という印象があったんですね。去年、85年の渋谷公会堂のライブ映像が発売になって、その時にもお会いしたんですが、「今まで当時の映像を見たことがない」と言ってたんです。
心境の変化というのがあるんだろうなと思いつつ、折角の機会だから何とかします、ということで話を聞きました。それもこれもドームのパフォーマンスがすごかったから。今、こんなに激しく踊って全身で叫ぶように歌う女性シンガーがいるか、という感じでした。
30年前ですからね。照明もアナログ。せいぜいレーザー光線、撮影もフィルム。ドームの空間の巨大さとか、今のドーム公演の映像につきものの最上段からステージを映したような全体を映したカットというのもない。
ステージの向こう側の客席もほとんど真っ暗にしか見えない。今の映像を見慣れた人には、ここがドーム、という感じもあるでしょう。でも、彼女のパフォーマンスはそういうことを全て超えている。むしろ、だからこそ凄さが際立っているという感じでした。
ファッションも少女っぽさを強調したものからネイビールックとかコケテイッシュ。でも、露出度は少なくない。汗の光り方とか、流れ方。フィルムで撮っていることでそういう皮膚感が生々しい。なまめかしい。キュートでコケテイッシュ、そしてセクシー。
マドンナとかシンデイー・ローパーを意識している時期でもあったんでしょうね。でも、洋楽のコピー、向こうの真似という感じがない。ロックのダンスなんだけど、バレーのようだったりフラメンコのようだったりする。
指先までが歌っているという繊細さと対照的な躍動感。何かに駆り立てられるような切ないほどの狂おしさ、時折、息切れをしているのも分かるくらいの体当たり感。今の48とか46という集団アイドルからは絶対に感じられないリアルさでしょう。
80年代後半のバンドブームを牽引したのがREBECCAとBOO/WYだったことは間違いないです。特に女の子たちにとっての影響はREBECCAのインパクトがあったでしょう。それがなぜだったか、ライブが全てを語ってました。
ロック・ヒロインというのはどういう存在を言うのか。こんなに雄弁な映像もないと思います。今のバンドのファンにこそ見て欲しい。昔の人はこんなにすごいライブをやってたんだ、は言い過ぎだね(笑)。
というわけで、あわただしい一日でした。今日も小雨がぱらついてました。週末はまた大雨なんだそうです。被害が出ないことを祈るばかりです。曲ですね。REBECCA「Monotone Boy」を。ライトの中で放心しているようなカットが感動的でした。じゃ、おやすみなさい。