ちょっと時間が経ってしまいました。先週の金曜日、4日にNHKホールで行われました。5月に始まったツアーの最終日。24本目かな。東京は5月に国際フォーラムをやってました。その時に見ようかと思ったんですが、他の予定と重なってしまいました。
彼らは一昨年か、ヴォーカルの山村隆太さんが喉を傷めてしまって去年は丸々休止状態だったんですね。今回のツアーはそこからの復帰ツアー。彼は、ステージでも音楽を諦めようと思ったと言ってました。
以前もポリープで喉の手術をしてますからね。一度ならず二度までもとなると、そう思わざるをえないでしょう。やはりステージで、また出なくなるんじゃないかという恐怖感との戦いだったとも告白してました。
声ですよ。もちろん、彼らのようにステージに立つわけでも何時間も歌うこともしないんで比較にはなりませんけど、想像することはできます。何年か前にスピッツにインタビューした時も、正宗さんが「ツアー中は朝目が覚めるて声が出るとホッとする」と言ってました。
ツアー中は「今日は出るだろうか」という強迫観念につねに付きまとわれている。隆太さんは、まさに毎回そういう感じのツアーだったんでしょう。確かに、以前と歌い方も少し変わったようにも思えました。
喉に負担のかからない歌い方、というのを研究してるんでしょう。でも、そういうことを超えたライブだったんです。なによりも客席が温かかった。「おかえり」ムードに溢れていた。曲やMCの後に拍手が鳴りやまない。
励ましのようでもあり祝福のようにも聞こえる。ともかく「良かったね」が満ち溢れている。客席とステージが同じ地面というか、分け隔てなく同じところでつながっている。人気バンドにありがちなスター感みたいなものが全くなかった。
デビュー当時は、そこまでの一体感とは違う感じがしてました。客席に女性が多いせいもあるんでしょう。黄色い歓声に対してステージの方がどこか毅然としようと思っているようにも感じられたりしました。そういう気負いがなかった。
もちろん、気負ってるんですよ。生涯をかけて気負っていると言ってもいいんでしょう。でも、そういう頑張る姿がそのまま受け止められる。客席がそれを十分に理解している。その一体感にもらい泣きしそうになりました。
出身が大阪ですからね。メンバー感のトークがぶっちゃけていた。ギターの一生さんが、隆太さんに「あんまり強く言ってまたへこまれたら困る」とかさらっと言って、それが嫌味にならない。関西弁トークの良さだなあ、と思いました。
客席も大丈夫か、と思ってるんでしょうけど、それを出してはいけない、みたいな気遣いもあったんだと思うんですが、そうやってさらっと言ってしまうと笑いで終われる。救われた感じもありました。関東弁はああはいかないかもしれません。
今年は、喉の不調を訴える人が多かったですからね。鈴木雅之さんとか達郎さんまでが延期したりしてました。周りにも何人もいました。僕もそうでした。ようやく戻ったという感じなんで、半年はかかったでしょう。
気候の変化、気圧の不安定、空気の汚れや乾燥、色んなものが全部喉に来てしまう。冬の風邪に注意しないとという今からの心構えが必要になりそうです。でも、彼らは、こっから新しい章が始まるんだと思わせてくれました。
というわけで、flumpoolの今年出た新曲、声が出なかった時のことを歌ったと言ってました。「HELP」を。来年はアルバムが出るそうです。じゃ、おやすみなさい。