ずっと家にいませんでしたからね。聞けなかったアルバムも沢山たまってます。久々に出かけなかったんで、その一部を聴いておりました。で、ようやく聞いたのが菅田将暉さんの新作アルバム「LOVE」。7月に発売になりました。
そういうことか、とか、色々感じることの多いアルバムでした。今、若い人たちが何に共感しているのかとか、彼がなぜこれだけ支持されているのかとか。その感覚。肌ざわり。空気。良いアルバムでした。
すでに米津玄師さんがプロデユースした「まちがいさがし」がチャートに入ってますけど、あの曲もまさにそんな一曲ですね。世の中の流れに同化出来ないという感じ方。自分が外れ者だという意識。米津さんの曲にもあるそんな認識が二人に共有されている。
”まちがいさがしの間違いの方に生まれてきた”。”正解と間違い”があるとしたら、自分は”まちがいの方に属する人間”という受け止め方。”正解の方じゃなかったから出会えた”。でも、”君”と一緒にいると、そんなことはどうでもいいと思えてくる。
そういう外れ者同志のラブソング。アルバムの中には彼が詞曲を書いたものが半分。他に石崎ひゅーい、amazarashiの秋田ひろむ、忘れらんねえよの柴田隆浩という人達も書いてるんですが、どの曲もそういう”居場所のなさ”や”歪さ”みたいなものを抱えている。
50年前、早川義夫さんという人が「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」というアルバムを出しましたけど、そういう感じ。かっこよくなりきれない。かっこよさに馴染めない。どっか自分の無様さを持て余している。
ドラマをほとんど見ないんで、”役者・菅田将暉”を知らないんですけど、そういう演技なんだろうなと思いました、って今ごろ、こんなこと言ってるって(笑)。昔のジェームス・デイーンとかショーケンとかもそうでした。
それでいて尾崎とも違う繊細な壊れそうな線の細さ。無鉄砲な若さも発散している。そういう意味では青春の王道、と言ってもいいのかもしれません。昔の「学園ドラマ」みたいな清く正しい青春はありえないでしょうからね。
アルバムの中で印象深いのがあいみょんの書いた「キスだけでfeat あいみょん」。これは知ってましたけど、アルバムの中だとより存在感がありますね。ご存じでしょうけど、女性の生理がテーマになっている、と思わせる。
”私今日は女だから”という一行がそのことを連想させます。でも、そこを男性、つまり菅田将暉さんに歌わせる。自分は男の側を歌ってる。それが生々しさを薄めて、むしろお互いの性の距離、みたいなものを感じさせて実に切ない。
あいみょん、才能あるなあ、と思わせる曲。ヴォーカリストとしても”言葉にならない気持ち”みたいなものを歌に込めているようでいい味なんです。屈指のラブソングという感じでした。米津玄師・あいみょん・菅田将暉。今、旬なトリオのアルバムと言えそうです。
というようなことを思いつつ。7月が史上最高気温だったという天気もそうですし、明るい未来を信じている若者の方が少ないのかもしれないな、と思ったり。令和。大変な時代になるのかもしれません。
ということで、菅田将暉さん「まちがいさがし」を。明日も37度だそうです。GLAYのメットライフは明後日に行こうと思います。じゃ、おやすみなさい。