話が大きい(笑)。昨日は小さかったですからね。こんなことも考えます、ということで。前にも書きましたけど、ニセコは他のリゾートとかなり違います。かといって、他をそんなに知っているわけではないんで、イメージ程度、と思ってください。
僕らがイメージする観光地ね。温泉地でもいいか。田舎、でもいいです。例えば、不況で閉館した旅館とか、使わなくなってしまった遊戯施設とか、若い人の姿が見かけなくなってしまって閑古鳥が鳴いている様子とか。そういう光景がないんです。
町が近代的。お店がおしゃれ。停滞している感じがない。ニセコの銀座と呼ばれている十字路あたりは、ピカピカです。渋谷あたりの最新ブテイックとかイタリアンレストランみたいなお店が並んでます。和食のお店もそう。昔ながらの食堂みたいな場所がない。
総ガラス張りの和食屋さんとか、あるんですよ。入って行くと、外国人のスタッフが笑顔で迎えてくれる。メニューも英語と日本語。そういう人が説明してくれる。どっか妙なんです。照れくさいというか、こそばゆいというか。
何でしょうね。そういうお店に青い目の人や肌の濃い人がいてどこが悪い、というのはあるんですけど、日本国内ですからね、やっぱりどっか妙。街には不動産屋も多いんですけど、そういう会社も日本人はお客さんと思ってないみたいです。
でも、複雑なのは、そういう会社が扱っているのは、90年代のスキーバブルが崩壊して投げ売りされてしまった別荘地とか、見向きもされなくなっていた宅地だったりするわけです。つまり、そういう会社が外国に住んでいる人に売っている。
そういう意味では、救世主的存在、ということにもなるわけですが、売国的、とも言えないこともない。今、倶知安という街の地価上昇は日本で一番なんだそうです。日本に住んでいるのに、そういうことすら知らない。
その中で、どんどん外国化が進んでゆく。海外のお金持ちのための街になってゆく。ニセコの雪は世界一なんだ、という話を何度か聞きました。そういう価値を外国人から教えられる。これでいいのかなあ、というのが率直なところなんです。
遊びに行ってそんなこと考えてもしょうがないんですけど(笑)。日本に大人のリゾートは根付かなかった、ということなんでしょうか。でも、ニセコは素適なところです。曲ですね。「私をスキーに連れてって」という映画がありましたね。
30年前か。あの時のスキーブームはどうなったんでしょう。僕はやりませんけど。主題歌、ユーミン、「サーフ天国 スキー天国」を。8月6日、遠く北の空の下で、広島を思いつつ。じゃ、おやすみなさい。