3月に川口リリアメインホールを皮切りにして始まったツアー「Design&Reason」の最終東京公演。後は大阪を残すだけ。42本目と言ってましたね。僕が見せてもらったのは初日ですから、ツアーの最初と大詰めということになりました。
見事でしたねえ。演奏のまとまりが全然違いました。もちろん初日は初日ならではの緊張感のあるセッションという感じでしたけど、それぞれの呼吸はぴったりと合った一体感はまさにツアーの醍醐味を見せてもらいました。
決めというんでしょうか。特に曲の終わり方ですね。一糸乱れない。それまでソロの熱演が入って盛り上がって曲の決め。体操で言えばフィニッシュの着地。スタイリッシュなかっこよさに思わず拍手してしまう。その連続でありました。
新作アルバム「Design&Reason」に特化した内容ですからね。アルバムと言うのはツアーで完結するというまさにそのお手本。CDとは一味も二味も違う情感の込め方や客席とのコール&レスポンス。お客さんもアルバムを聞きこんで来られているのが感じられました。
インタビューの時に彼が自分で言ってましたけど、初期の自分のスタイルを意識した、というアルバムだったせいもあるんでしょうね。新曲が中心なのに、どこか懐かしいくらいの不変な槇原敬之。それでいて歌っているのは、50才の自分のことです。
懐かしいんだけど瑞々しく新鮮。むしろ初期の作品よりもピュアな清々しい透明感もある。バンドの力も大きかったんでしょうね。アイリッシュ的な空気はこれまでになかったんじゃないでしょうか。そういう意味での大人かな。
アルバムのインタビューの時にもお伝えしたんですが、これだけのキャリアがあって、なおかつこんなに鮮度の高いアルバムが完成する。50才という年齢と来年30周年という区切りで自分の「生まれた時のこと」がモチーフになる。これも大人になったからでしょうね。
若い頃は「生まれたこと」について、こんな風に考えれらなかっただろうなあ、というアルバム。タイトル曲「Design&Reason」は、まさにそんな曲でした。”君の気持ちがわかると君に言えたなら これまでの自分の歴史を誇れるだろう”という意味は深いです。
アルバムの中の好きな曲、もう一曲ありますね。「2 Crows On The Rooftop」。世を忍んで手を握り合うカップルの歌。切なくて愛おしい。彼は、今後ミュージカルを作りたいと言ってましたけど、こういう作品が見たいです。
ツアーの完成形。収録があったこともあるんでしょう。MCも言いたいことを全て言ったという感じでしたよ。それも無駄なく。初日には出てこなかったエピソードも沢山おりまぜながらアルバムの趣旨を語ってました。話術の達人ですね。
何度か、来年、30周年への抱負を語ってくれました。期待しましょう。というわけで曲ですね。「Design&Reason」か「2 Crows On The Rooftop」。どっちかなあ。メインテーマでもある「Design&Reason」の方を。
今日も暑かったです。渋谷は郊外よりももっと暑い。渋谷の駅からNHKホールまで歩くのにフーフー言ってる。途中、東武ホテルで休憩。ここは無料休憩所じゃない、とおしかりを受けそうでした。明日も暑そうです。じゃ、おやすみなさい。