無事に戻りました。帰りは羽田だったんでやっぱ楽です。でも、雨と気温の低さに参りました。台北も雨でしたけど、あちらは南洋の雨、濡れてもまいいか、みたいな感じになってましたけど、待っていたのは梅雨寒の冷え冷えするような雨でした。
ということよりも、です。機内で見たんですよ。「翔んで埼玉」。公開が月ですから、今ごろです。映画の中にNACK5が登場したりするし、もっと早く見ようと思ってましたけど、なかかな映画館に行く時間がない。ちょうどいいと思って見ましたけど、これがまあ、面白かった。
ヒットしてるのも知ってたんですよ。埼玉が自虐ネタになってるとか、断片的な情報はありました。見ないとなあという気持ちもありましたけど「必ず見ろ」みたいな「通達」めいたものもなかったですし。そういう「縛り」は、全くと言っていいほどない局。今、珍しいんですよ。
会社の方針がこうだから、全員それに従うように、みたい「強制感」がないんです。それよりも「それぞれの番組の色を出してくれ」みたいな感じかな。じゃなかったら、こんな素人同然のロートルの喋り手に15年以上番組をやらせくれたりしませんよ、って、話が逸れました(笑)。
でも、予想をはるかにしのいで面白かったんですよ。もっと早く見ればよかった。みんなの話の輪に加わりたかったと思いました。奇想天外なのに荒唐無稽じゃない。抑えるところは実にうまく抑えていて笑わせる、そして泣かせる。傑作でしたよ。
漫画の原作があるんですよね。これも今ごろ言ってますけど、すみません、世間知らずで。みなさんもうご存知なんでしょうけど、東京の一極集中や一人勝ちに対しての皮肉になってる。そして、それに対しての留飲を下げさせてくれる。
現実と空想、優越感と劣等感、格差という現実を極端に戯画化する漫画的手法。繁栄する東京と差別される埼玉、千葉、狡猾な立ち回りの神奈川。関東4県の力関係や歴史性。東京への通行手形という仕掛けも妙の説得力がありました。
そこに伝説の英雄が登場する。都知事の娘と埼玉の救世主。対立していた千葉とともに都庁に攻め込んでゆく。父親に反旗を翻した都知事の娘と伝説の英雄の息子の恋物語とかね。サービス精神に富んだ超娯楽作品。昔のクレージーキャッツの映画みたいでもありましたね。
そういう映画でありながら、都庁に向かって農民一揆と暴走族みたいな埼玉・千葉両解放戦線(ベトコンね(笑))が手を結んで大行進をするシーンに香港の100万人デモが重なったりもしたんですよ。もちろん、単なる映像としてですけど。機動隊と衝突するシーンもありましたもんね。
もし、ご覧になっていない方。是非。絶対に楽しめます。NACK5番組担当者としても埼玉県民に成り代わって声を大にして申し上げます。こんな面白い日本映画がかつてあっただろうか(笑)。飛行機の機内映画、役に立ちます。というわけで、はなわさん「翔んで埼玉」を。じゃ、おやすみなさい。