もう一週目の放送が終わってしまいました(笑)。今月は「名盤月間」。69年に発足した日本で最初のインディーズレーベル、URCの名盤をご紹介しようという一カ月です。ちょうど50周年ですからね。もう当時を知らない方の方が多いでしょうし、そういう方にこそ聞いて頂けたらという特集です。
URC特集は、一昨年に一回やってるんですね。あの時は、中川五郎さん、小倉エージさん、柳田ヒロさん、斎藤哲夫さんという4人がゲストでした。今月は、少し視点を変えて二人のゲストに二週ずつ。一人は前回もお願いした音楽評論家・小倉エージさん。もう一人は一回り若い、総合音楽家・和久井光司さんです。
小倉さんは、もう数少なくなったURCのデイレクター、岡林信康さんのデイレターでした。バックバンドにはっぴいえんどを起用したのも彼です。ボブ・デイランとザ・バンドを結び付けたのと同じような形ですね。音楽雑誌「ニューミュージックマガジン」の編集者でもありました。
70年代の洋楽ファンで彼の書いた原稿を読んだことのない人はいないでしょう。博識では僕など足元にも及びません。でも、デイレクターとして制作者だったこともある。貴重な証人。彼が、二週にわけて10枚のアルバムを語ってくれます。
もう一人の和久井光司さんは、以前から気になっていた方。評論家でもあり、自分でシンガーソングライターとしても活動している。ボブ・デイランを日本語で歌う「デイランを唄う」というアルバムもあります。本人公認なんだそうです。
僕がお会いしたいなと思ったのは、10年くらい前に読んだ「ビートルズ原論」という本を読んだ時ですね。ビートルズ論の中では資料性、物語性、そして、音楽についての分析が説得力があったんです。マニアックにもならず、表面的にも過ぎない。いい本だなと思ったことでした。
最近では、「放送禁止歌手・山平和彦の生涯」という本が評判になってますね。洋楽も邦楽も語れてプロデユースも出来る。総合音楽家というのは彼が自称している肩書です。そういう人たちの時代だなあと思わされます。彼は12枚のアルバムを取り上げてくれます。
先月の西城秀樹さん、その前の小室哲哉さんの特集で番組をお知りになったという方にはかなり暗いかも(笑)。でも、URCというのは商業主義では扱えない音楽を世に送り出す、という趣旨のレーベルでしたからね。テレビでは流れない歌ばかりになると思います。
今週、流れた曲の中からこの曲を。岡林信康さん、「今日をこえて」。達郎さんがツアーでカバーしてました。じゃ、おやすみなさい。