昨日と一昨日です。初の二人だけのドームツアーの東京公演。まだツアーは続きます。でも、東京ドームは9回目と言ってましたね。もうそんなになるのか、という感じでした。2001年、「二人のエッグショー」に始まってます。
ステージでも、あの時は「負けるもんか」という気負いでいっぱいだった。客席に立ち向かっている感じだった。でも、今回はそうじゃなくて、楽しんでもらいたいという気持ちでやっている、と言ってました。余裕ですね。二人でやることの限界を知りつつ、全力投球する。ゆずらしいライブでした。
前回の東京ドームもそうでしたけど、どんなにセットが大規模になっても「らしさ」は失っていないんですが、でも、全編二人でやると、らしさのオンパレードになっている。一から十までゆず、というステージ。原点を感じました。
原点なんだけど、回帰はしてない。最初のドームの時みたいに、素手で立ち向かっているという感じじゃない。二人をどう見せるかとか、ステージのテーマやコンセプトをどう表現するか、という最小限の演出はありました。ツアー中ですから、もちろん、それ以上は触れませんけど。
そういう曲が選ばれていたのも大きかったでしょうね。等身大を感じさせる曲が多かった。路上当時の曲。と言っても路上は見たことがありませんから、そこと比較は出来ないんです。初めて見たのはメジャーデビューしてからの最初のホールツアー。NHKホールでした。
その時に思ったのは、この清々しいまでの全力投球は何だ、ということだったんです。たとえば、アットホームさとかファミリアスさとか、彼らの素朴なくらいの真っすぐさは、ロックバンドや斜に構えたアーテイストからは出てきません。
聞いている方もそうですよね。どっか腕組みしているような擦れたというか、そういう業界的な身構え方が払しょくされていったんですね。真正面から胸に飛び込まれて拳で叩かれている感じ。斜に構えていることが恥ずかしくなる感じが新鮮でした。
ただ、ここ数年かな。紅白のトリをやるようになったりして、どっか遠いところに行った感は正直に言って無きにしもあらず、だったんです。NHK的になってるというか。もちろん、それが弱小メデイアに関わる人間のひがみ、だということは承知の上です。
そういう意味では、よくメジャーデビューしたバンドやアーテイストに対して、売れない頃から見ているファンが「遠くなった」と言って嘆くあの心境は理解できるんです。「おめでとう」「良かったね」とは思いつつ、どこか一抹の淋しさもないではなかったりする。
ま、しょうがないんですけどね。そういう時代ですし。たいして影響力のないメデイアに色々出るくらいなら、NHKだけでいいや、みたいになるのも分かるし多かれ少なかれ、そうなってゆくわけですし。それでも音楽が良ければいいわけです。昨日は、まさしく”そばにいる二人”でした。
これは毎回感じますけど、二人の、というより北川さんの人を楽しませたい、という本能みたいなもの。天性なんでしょうね。根っからのライブ人間。キャリアを重ねて、それがより強くなっているんでしょうか。死ぬまで、一緒、という言い方をしてました。
平成は路上が脚光を浴びた時代。その扉を開けたのが二人ですからね。ここから歴史が始まった。ドームを舞台にそんな新しい一頁が開きました。というわけで、曲ですね。これもツアー中だ。でも、この曲をやらないことはありえないでしょうから、「夏色」を。これも工夫されてました。明日はLUNA SEAの武道館。じゃ、おやすみなさい。