昨日と一昨日ですね。僕が見せてみらったのは昨日でした。丁度ツアー「春の乱」の折り返し。油が乗ってきている時という感じで、良いコンサートでした。そういうのは一曲目で伝わるんですよ。メンバーが登場して、一曲目が始まった瞬間の気合が違った。
息があっているというと素朴すぎますが、最初の一音のテンションというか熱量というか、か、呼吸圧という感じかな。思わず身を乗り出して姿勢を正してしまいました。力が入ってたんですよ。そして、ひとつになっていた。妙な表現ですけど、”気が見えた感じがしました。
彼らは”音”だけじゃありませんからね。”声”も一緒になってる。そこに”気”が加わる。そう言えば「三位一体」というアルバムもありましたよね。音楽的にも精神的にも人間的にも、色んな意味でのスーパーハーモニー・トリオの真骨頂が詰まったライブでした。
何せ、45周年ツアーですからね。45年のキャリアを総括するような内容。ヒット曲を網羅するということじゃないですね。音楽の質。どんな音楽をやってきたのかの集約。ハードロック、ヘビメタ、プログレ、アコーステイック。そこに不変のコーラス。3人ヴォーカルの底力。お見事でした。
それだけじゃないです。コントね(笑)。ドリフ顔負けの練り上げられたコント。終わってからの関係者挨拶でもリハで一番時間をかけるのがコントだと笑わせてましたけど、本当かもしれません(笑)。それも自分たちが楽しんでいる。そういう屈託のなさにも学生気分が残っている。
もし、そういう”笑い”で乗り切ろうとしているんだとしたら、あれだけのライブにはならないでしょうね。演奏が全力だからこそコントも楽しめているという感じ。自分たちの息抜きになっている。そのバランスも彼らの魅力でしょう、って今更か(笑)。
でも、高見沢さんのフィジカルの充実ぶりには驚かされました。弾いて歌うだけじゃなくて踊ったりもする。シンガー・ソング&ギタリスト&ダンサー。60代男子のエアロビクス(笑)。足元が揺るぎなかったです。そして、声もね。声帯を鍛えてるんでしょうね。あやかりたいですよ。
音も良かったんですよ。NHKホールだからでしょうか。いや、PAのエンジニアが上手なんでしょうね。彼らの音楽を手の中に入れている。どうすれば楽器の音と声のバランスがよく聞こえるか。音、デカいんです。でも、全く耳が痛くならない。音の像に艶と張りがあるんです。
そういう意味も含んで45年の重みでしょうね。でも、全然、円熟にならない。むしろ、ハードになってる。今時、こんなに70年代ハードロックに傾倒しているバンドは彼らくらいかもしれませんよ。笑ってしまうくらいにハードロックバンドでした。
もちろん、こういう時の”笑ってしまうくらい”はいい意味ですよ(笑)。人が必死にやってるのを笑うとは何事か、みたいに言う面倒な人もいないとも限りませんからね。好意的。賞賛してます。というわけで、THE ALFEE。ツアー中ですからね。何にしましょうか。
面白いこと言ってましたね。74年デビュー。同期はクイーンとKISSだって。クイーンは日本でデビューが74年。でも、ずっと続けているのは俺たちだけだと言ってました。確かに。ああいうバンドは世界で彼らだけでしょう。
では、クイーンの「ボヘミアン・ラプソデイ」って、苦し紛れ(笑)。6月にはアルバムが出ます。じゃ、おやすみなさい。