先月発売になった配信シングルです。タイトルが「元号」。平成が終わるという自分たちの惜別の想いを綴ってます。平成が始まった時にどう思ったか、今、自分たちの青春だった平成を見送る時にどんなことを感じているのか。万感の一曲です。
単に淋しいとか悲しいとか感傷的なことを歌っているわけじゃありません。昭和と平成というそれぞれの時代がどんな風に違ったか。戦争があった昭和と戦争をしないですんだ平成。昭和の願いは叶えられたのだろうか。元号が変わる時だからこそ歌っておきたいという心情が伝わってきます。
GLAYは今年がデビュー25周年。彼らが上京してきたのは平成が始まってすぐ。アマチュア時代にはバイトをしながら思うようにならない時期もあった。でも、デビューしてからは一気に上り詰めて90年代の終わりを迎えた。2000代に入ってからは地に足のついた活動を続けている。
「元号」のミュージック映像がいいんです。自分たちの姿と世の中の出来事が映像として重なっている。ビジュアル系の名残のある初期の頃から幕張の20万人コンサート、その後のライブから最近のライブまで。彼らがどう変わったかが時代と重なってます。
平成、色んな事があったなあという感慨。近年、バンドにせよソロアーテイストにせよ、そうやって世相的なところに視点を持った人たちが少ない中で、自分たちの音楽が時代とともにあるんだ、と明確にしているという意味でも貴重な作品でしょう。
そう、インタビューがあったんです、って最初に書けよ(笑)。「HAPPY SWING」という会報誌。メンバー4人全員。テーマは「デビュー25周年・過去・現在・未来」。文字数が限られてるんで過去の出来事にはそんなに触れませんでしたけど、俯瞰したインタビューになりました。
GLAYは今年の1月1日の「読売新聞」に”25周年DEMOCRACY宣言”というメッセージ広告を出してました。一年間の共通キャッチが”DEMOCARCY25”。”バンドは民主主義である”という宣言。隠し事や強権的な物事の決め方をしない。それぞれのメンバーの意見で成り立っている。
政治的な意味というよりも人と人のコミュニケーション、関係性のあり方。でも、平成の終わりごろから、そういう方法が軽んじられる空気が強まる中で、色んな意味に取れそうです。令和がデモクラシーの終焉にならないように、という平成の寵児の願いのようです。
僕らは戦後民主主義という考え方とともに育ちましたからね。音楽を通して、そういう理想が持ち続けられるといいな、と思ってミュージック映像を見てました。GLAY25周年。どんな風に進んでゆくのでしょうか。
というわけで、曲はGLAYの「元号」です。最後の一行は元号がどんなに変わっても、という意味に取れました。じゃ、おやすみなさい。