”気”の力。すなわち”気力”ということになりますね。その人の意志、心持、内面の力。色んな言い方があります。色んな使われ方もします。時には、胡散臭いものとして見られることもあります。
”気力”というとそんな風には思われないでしょうけど、”気功”というと、眉唾と感じる人もいらっしゃでしょう。”気”の力、と”気”の功績。同じようなものなんだと思うのですが、どうなんでしょう。
書きたいのはそういうことじゃなくて、一昨日、小坂忠さんの蔦屋での無料ライブを見ていて、改めて、人間の”気力”について考えさせられたわけです。医学的なことを超える人間の力、と言っても良さそうです。
小坂さんが、肺がんを患っているという話はこの間も書きました。一昨年、大腸がんと胃がんの手術をして胆のうも摘出するという大手術を経験したということも、です。その上、肺がんも発見されたというんですね。でも、そういう状態とは思えない歌だったんです。
そういう意味では病人ですよ。そういう歌じゃありませんでした。去年の11月に国際フォーラムで行われた「SONGS&FREINDS・ほうろう」コンサートでも朝から本番まで7時間あったんだそうです。それをずっと見ていて3時間以上の本番もこなした。
あの時もそういう身体だった。全くそういう人のステージじゃありませんでした。一昨日のトークイベントでも、身体のことを訊いたんです。そうしたら、気持ちが弱ることが一番、がん細胞を助けることになるんですよ、と言ってました。
病は気から、と言ってしまうと、あまりに当たり前な気もしますけど、そういうことなんですよね。歌いたい、歌おう、負けまい、という気持ち。気力。それが彼を支えている。それ以外にない。
去年、そういう例も他にも出会ったんです。自分が尊敬する人のメッセージをもらってスキルス性の胃がんを克服したという知人もいました。余命、数カ月と言われたのに、今は退院して仕事をしてます。
5年前にステージ4の肺がんと診断されたのに、ずっと仕事を続けていて、がんが小さくなった、という知人もいるんです。彼は発病後も酒もたばこもやめなかった。がんがんに飲んでました。
彼は、抗がん剤が合った、と言ってましたけど、やっぱり”気力”でもあるんでしょう。もちろん、気力があっても力尽きてしまった友人も何人もいましたけど、でも、不思議な何かがあることに変わりはないんだと思うんです。
”元気があれば何でもできる”といったのはアントニオ猪木さんですけど、”気力”を失ったら何にも出来ない、というのも事実でしょう。”気力”が充実しているか、どうか。一昨日は、それを見せつけられた気がしました。
まあ、今年になって妙に気弱になっているのも自覚してましたからね。そんなこと言ってる場合か、という感じでした。まあ、そういう精神力みたいなものに対して冷やかになってしまうのが東京人、関東人のひ弱さなんでしょうけどね。
歌に励まされるというのは、こういうことなんだろうな、とも思いました。小坂忠さん、すごいです。19日にも代官山のライブスポット「晴れたら空に豆まいて」でライブがあります。僕は「FM COCOLO」の収録と重なってますが。
FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」、4月の特集は「小室哲哉」です。あ、あの番組は、水曜日の早朝、4時から再放送もしてます。もし、月曜日のタイムフリーの期限が切れてしまっても、間に合ったりすることもあるんで。
というわけで、曲ですね。”気力”ではないですが”気持ち”を歌った曲。拓郎さんの「気持ちだよ」。番組の中で、”仕事だよ”と言われてるみたいで”嫌いな歌”というメールがあったのには笑えました。
拓郎さんの「気」がライブに向けて充実していくのが分かりませね。あの人も人の何倍もの”気力”の持ち主なんだと思います。じゃ、「気持ちだよ」を。おやすみなさい。