というわけで、今ごろになりました。妙に改まってどうする(笑)。9月から始まって昨日まで。一昨日と昨日はファンクラブ対象ではなくて一般発売のチャリテイコンサート。やっぱりどこか雰囲気が違いましたね。
NHKホールという独特の落ち着きがある会場がそうさせていたということもあるでしょうけど、一般公演という方が大きかったようにも思います。ほとんどがファンクラブの会員ではあるんでしょうけど、そうじゃない人もいたでしょうから。
ステージの空気も違ったのは、そういうことに加えて撮影が入っていたこともあるでしょうね。去年までのリラックスした雰囲気に変わって集大成感が溢れておりました。いつか映像化されることも念頭にあるんでしょう。完成されたステージでした。
いくつか触れなければいけないことがありますね。一つは一部と二部の構成の落差。去年の「60年代編」もそうでした。一部はスタジオ形式でトークイベント用、二部はメンバーの立ち位置も変わるという別ステージ。今年はもっと意表をついてました。
初日の福岡を見に行った時、かなり開演時間に近かったんです。でも、どこか様子が変だなと思って客席を覗いたら、まだリハーサルをやってました。そして、ステージにいたのが浜田さんだけでした。「げ、一人でやるんだ」でした。
「70年代編」ですからね。今は見ることのできないステージングになるかもしれないとは思ってましたけど、あそこまでとは、です。ファンクラブの会員の方でもそういうステージをご覧になっている方は少ないんではないでしょうか。会報の編集をしている古矢さんは見てますね。
僕もそうなんです。デビューコンサートはバンドが入ってましたし、一番苦戦していたライブハウス時代は放送作家として一番忙しい時で行けてません。放送局のスタジオで見たという程度だったと思います。
そういう意味では、懐かしい、というより新鮮だった、という印象ですね。まさか、今になって当時見ることの出来なかったスタイルのライブに接することが出来た。昔の人はこういう時に何と言ったかご存知ですか。「生きててよかった」(笑)。
しかもあの選曲ですからね。70年代。僕らの時代。でも、こういう仕事をしてると、多かれ少なかれそうなってしまうんですが、そのアーテイストが一番苦戦している時を見てなかったりするんです。雑誌も頁を裂きませんし、取材もありません。
そのことはどこか心残りにはなってた。後ろめたいとまでは言いませんけど近いものはありました。そんな気持ちが消えました。切なさも交えた新鮮さ。そして、新鮮ということでも選曲という点でも二部がすごかったです。
イントロが始まっても何の曲だろうと思ってしまう。アレンジが全く違う。星勝さんの力でしょうね。メロデイーの若々しさやキャッチ―さを生かしつつ、8ビートのポップロックを16ビートのR&B、ソウルにしてしまう。そのことが曲に新しい力を与えていました。
こんなにダイナミックな曲だったんだという発見。「雨の日のささやき」「恋に気づいて」「青春のビジョン」。最たるものが「悲しみ深すぎて」。おまけに「子午線」、「ミスロンリーハート」。懐かしい、という懐古的な感情が湧きようがなかったというのが正直なところでしょう。「LOVE TRAIN」が「SOUL TRAIN」になってました(笑)。
そして、一昨日、昨日がチャリテイコンサートだったこと。「J.S.Foundation人道支援プロジェクトサポートのためのチャリテイコンサート」。J.S.の代表がなくなったこと、自分だけになっても続けること。簡潔で力強かったです。
でも、70年代、愛おしい時代でした。特殊な時代でもありました。音楽が音楽として評価されなかった。自省でもあります。そんな時代に生まれた瑞々しい曲たちが、着せられるべき服を着ることが出来た。妙な言い方ですけど、成仏出来たのかもしれません。
ということで、また見たい(笑)。曲ですね。みんな若くて青春でした。思うようにならないことがたくさんあったことも含めて。「路地裏の少年」」か「青春のビジョン」。稀有と言う意味では後者ですね。じゃ、おやすみなさい。