FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」の11月の特集「小坂忠とテインパン・アレイ」の三週目の収録。ゲストは当時クラウンレコードのプロデユーサー、国吉静治さん。メンバーは登場しません。
テインパン・アレイというのは70年代半ば、74年、75年、76年、77年と活動していたセッション集団。今でいうスタジオミュージシャンの集団。まだそんな言葉はない時代です。演奏で時代を変えた人たちと言っていいでしょう。
メンバーは、ベース・細野晴臣さん、ドラム・林立夫さん、ギター・鈴木茂さん、キーボード・松任谷正隆さんが中心。そこに矢野顕子さんとか後藤次利さんなど様々なミュージシャンが加わって色んなアルバムの演奏をしていました。
その前はキャラメル・ママという名前で一年くらい活動してました。僕らがそういう名前を目にしたのはユーミンの「ひこうき雲」と吉田美奈子さん「扉の冬」というアルバムですね。美奈子さんの方が少し先か。
そういう”こっち側”のアーテイストだけでなく、歌謡曲のバックもやっていた。アグネスチャンの「ポケットいっぱいの秘密」とか、雪村いずみさんのアルバム「スーパージェネレーション」とか、ですね。
もとは、はっぴいえんどの細野さんと鈴木さん、小坂忠さんのバックのバンド、フォージョーハーフの林さんと松任谷さんが合体して生まれた集団。そのきっかけになったのが細野晴臣さんのソロ一作目「HOSONO HOUSE」でした。
その演奏力が評判になって引っ張りだこ。色んなミュージシャンが加わって発展的に生まれたのがテインパン・アレイでした。その形でほぼ最初に関わったアルバムが小坂忠さんの「HORO」だったんですね。
わずか数年間の間にたくさんのミュージシャンが出入りしている。それぞれの関係を説明するだけで時間が取られてしまう。でも、その関係性こそ70年代半ばという時代だった。今月の「LEGEND FORUM」は、その解説の時間でもあります。
そして、明日。テインパンのディレクターだった方をゲストに収録しようというわけです。彼らは色んな人のバックをたくさんやってますけど、自分たちのアルバムも二枚出てます。国吉さんは、そのディレクターでした。
改めて資料を参考にしながら、色々整理をしてました。ミュージシャン集団ですから、曲をどう選ぶかとかね。例によってかなり時間を取られてしまいました。まあ、それが楽しくてやってるわけですから、苦ではないですけど。
でも、70年代というのが、ほんとに少数の人たちの情熱と志で始まって、彼らを中心に動いていた、ということを象徴するような集団。そういう意味では裏方ですね。あまりご存じない方の方が多いかもしれません。そういう月もあります。
ということで、曲です。何でしょうね。雪村いずみさんのアルバム「スーパージェネレーション」の中の「東京ブギウギ」。今聞いても超絶な演奏です。1974年。44年前か。時代は進んでいるのか、そんなに進歩していないのか。どうなんでしょう。じゃ、おやすみなさい。