やっとこの日が来ましたね。ライブ活動開始。5年ぶりツアーの初日。良かったです。この間の諸々を忘れさせてくれるパフォーマンスでした。ブランクは感じなかった。声も出てました。
ブランクは感じませんでしたけど、彼の募る気持ちは十分すぎるくらいに伝わってきましたよ。一語一語、一曲一曲に込めたもの。歌えることの喜びや感慨が自然とこみあげてきているのが分かる。聞きごたえのあるコンサートでした。
客席に妙な気を使わせまいとしたんでしょうね。湿っぽくなるのも性に合わないということでもあるんでしょう。いきなり笑いを取ろうとしたり、軽口をたたいておどけてみたり。お茶目さもご愛敬という感じでした。
初日ですからね。もちろん内容には触れません。でも、オーケストラと一緒にやったのが大正解な気がしたんですよ。東京フィルハーモニー交響楽団。総勢60名以上というフルオーケストラ。みごとなマッチングでした。
正直に言うと、オーケストラのコンサートを見る機会はめったにないんです。数年に一回くらいかな。だから、的外れになってしまうのは承知の上でですが、あの生音の分厚さと温度感が、とっても心地よかった。そして、ASKAさんに合っていた。
アレンジがそういうアレンジだったんでしょうね。歌を立てる。後ろで支えることに徹しているように思えました。これでもかという大げささもなく豪華すぎもしない。重厚なんだけど丁寧で控え目で暖かい。大きくてゆったりしてる。
当然のことではあるんでしょうけど、ASKAさんの気持ちが高ぶってくる時にそれを受け止めているような気がしたんですよ。「そんなにはやらないで」とか「ゆっくり行きましょう」と言ってるように思えたんです。
それに引っ張られるようにASKAさんの歌が広がって行った。気持ちよさそうにフェイクしたりスキャットを入れたり、生音の隙間で泳いでいる感じだったんですよ。歌を迎え入れている。引き出しているというんでしょうか。
バンドだとそうは行かないでしょう。ASKAさんの感情が高ぶればバンドも一緒に上り詰めようとするでしょうし、一緒に突っ込んでゆくでしょう。それがバンドの良さではあるんでしょうけど、今日はそうじゃなかったです。
ステージも客席も歌に入り込むことで色んなことを実感しているように見えるコンサートでした。国際フォーラムというのはこういうコンサートのためにあるんだなあという感じ。こういう音の伝わり方はロックのライブではなかなか味わえません。
何はともあれ、やっぱりステージに立っている時が一番彼らしいです。去年から何度もインタビューでは会ってますけど、表情が全く違いました。穏やか。晴れ晴れ。清々しい。憑き物が落ちたようでした。
何も変わってない。むしろ歌もたたずまいも落ち着きとお茶目さを増した。より大人っぽくより子供っぽくなった。音楽を味方につけてました。ということでこのツアーは復活の証明ツアーということになりそうです。
曲ですね。スケール感が素晴らしかったです。ツアータイトル曲「PRIDE」を。じゃ、おやすみなさい。