11月になりました。今日も夕方から急に冷え込んでしまって薄手のコートでは肌寒かったです。帰りは手がかじかんでました。久々の秋晴れが続くなあと思ってたら、一気に冬、という感じかな、と思ったら、この二三日だけだそうです。
で、月が替わると特集のテーマが新しくなるのがFM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」。昨日、11月の一週目の収録をしました。ゲストが武部聡志さん。この番組は3回目の登場。拓郎さんのアルバム「AGAIN」と「ユーミン」の特集の時ですね。
今回は「小坂忠とティンパン・アレイ」という特集の最初のゲスト。なぜ彼がというと、11月26日に彼がプロデユースする「SONGS&FRIENDS」というコンサートがあります。100年後に遺したiいアルバムのDNAを伝えるというコンサートですね。
一回目が、今年の3月の「ひこうき雲コンサート」。ユーミンの一枚目のアルバムをテーマにしたコンサートでした。その二回目。そこで取り上げるのが小坂忠さんの75年のアルバム「HORO」なんです。
ご存じの方の方が少ないでしょうねえ。そんなに爆発的に売れたわけじゃないです。でも、音楽ファン、特にはっぴいえんど系の音楽をお好きな方には「名盤」として聞かれてきたアルバム。いわゆる「埋もれた名盤」ということになりますね。
なぜそう言われているかというと、バックを務めているのが後のティンパン・アレイ。細野晴臣さん(B)、林立夫さん(D)、鈴木茂さん(G)、そして、松任谷正隆さん(KEY)。彼らを中心にして当時のスタジオミュージシャンが集まってます。
旧姓、鈴木晶子だった矢野顕子さん、コーラスには達郎さん、大貫妙子さん、吉田美奈子さんも参加してます。みんな20代前半。まだ将来も何も見えていない時期。その中心にいたのが小坂忠さん。
そして、そのアルバムに衝撃を受けてプロのミュージシャンになろうとしたのが東京の高校生だった武部聡志さんでした。一人一人の演奏に夢中になって聞いていたという話をしてました。ジャパニーズ・ソウル、R&B の原点のようなアルバムです。
それだけのアルバムがそんなに語られることがなかったのは、小坂さんがそのアルバムを携えた全国ツアーの後に心身のバランスを崩してしまったり、娘さんの事故があったりして、ポップミュージックから離れてしまうことも影響してました。
彼はゴスペルに傾倒して、ゴスペルのレーベルを作ったり自ら牧師になって教会で歌ったりするようになるんですね。ポップミュージックに戻って来るのは2000年代になってからです。消えてしまった人、みたいな印象だったんですね。
片やティンパン・アレイは細野さんがYMOを作ったり、松任谷さんがユーミンと結婚して彼女の創作に専念したり、鈴木茂さんや林立夫さんもそれぞれのバンドを組んだり、ということで発展的に消滅してしまいます。
そもそもは、はっぴいえんどを解散した細野さんの最初のソロアルバム「HOSONO HOUSE」に集まったメンバーでもあるし、小坂忠さんのバックのために作られたバンド、フォージョー・ハーフのメンバーだったりした人たちなんですね。
小坂さんというのははっぴいえんどの前身のバンド、細野さんと松本隆さんが組んでいたエープリルフールのヴォーカリスト。細野さんがそのバンドを解散して作ったのがはっぴいえんど。細野さんは当初、イメージしていていたヴォーカリストは小坂さんでした。
でも、小坂さんがヒッピーミュージカル「ヘヤー」のオーデイションを受けて合格。舞台に出るようになってそのプランは消滅。新たに呼ばれたのが大滝詠一さんでした。登場人物がすごいんです。
特集を「小坂忠とティンパン・アレイ」にしたのはそれぞれの関係を説明しないと伝わらないかということで「両A面特集」としました。なじみがないという方が多いだろうなと思いつつ、でも「伝説探訪」です。
武部さん、ユーミンツアーの真っ最中。拓郎さんがこの間のラジオで、リハーサルの時間が削られている。「武部が忙しい」とこぼしてました。超多忙な中での登場。一枚のアルバムに色んな人の偶然の出会いが刻まれているという奇跡を体験的に話してくれました。
ということで、小坂忠さん、アルバム「HORO」から「しらけちまうぜ」。作曲、細野さん、作詞、松本隆さん。彼のハードボイルド路線の代表作です。11月、どんな4週間になるでしょう。じゃ、おやすみなさい。