というアルバムがあります。発売は75年。小坂忠さん、4枚目のアルバム。ソウル、R&Bの名盤として知られてます。バックをつとめるのは細野晴臣さんや松任谷正隆さんらが組んだセッション集団、ティンパン・アレイ。彼らが初めて全面参加したアルバムでした。
先日、発表されたばかりですが、そのアルバムをテーマしたライブが行われます。武部聡志さんがプロデユースするリスペクトライブ「SONGS&FRIENDS」の第二弾。第一弾は3月に行われたユーミンの「ひこうき雲」再現ライブでした。
「SONGS&FREINDS」というのは武部さんが「100年後に残したいアルバムのDNAを伝える」というシリーズ。今年二回目。選ばれたのが「HORO」。彼は「あのアルバムを聴いてプロのミュージシャンを目指した」とコメントを出してます。
どうなんでしょうね。「ひこうき雲」に比べると知名度はやや違うかもしれない。でも、あのアルバムを選んでいるのがイベントの精神を感じさせますね。一枚のアルバムに刻まれた物語という意味では「ひこうき雲」に勝るとも劣りません。
そのチラシ、とは言わないか。ビラ、でもない。今、何と言うんだ、フライヤーか。チラシでいいよね(笑)。その原稿を書いてました。字数が多くないですからね。どこまで簡潔に書けるか。力入りました。
小坂忠さん。1966年にフローラルというバンドでキャリアをスタートさせてます。日本版モンキーズという触れ込み。その中の忠さんとキーボードの柳田ヒロさんが、細野さん、松本隆さんらと組んだバンドがエープリルフールですね。
はっぴえいんどの前身ね。細野さんは当初、エープリルフールを解散して組む新しいバンドのヴォーカリストには小坂さんをイメージしていた。でも、小坂さんはミュージカル「ヘヤー」のオーデイションに受かって、そちらに行ってしまうんです。
というようなその時代の人間関係が凝縮されているのが「HORO」ですね。総合演出の松任谷正隆さんは、小坂忠さんがミュージカルから音楽に戻ってきた時のライブのために組んだバンド、フォー・ジョー・ハーフがキャリアのスタートだった。
そのバンドには後藤次利さんもいた。つまり、小坂さんは、そのきっかけになってるアーティストでもあります。フォー・ジョー・ハーフ。”四畳半”の英語読みですね。というような話は知る人ぞ、知る、という感じかな。どうなんでしょう。
ロック苦闘時代。松任谷さんは、今回のライブについて「70年代前半の暗黒時代」と言ってますね。そういう中で、それぞれが自分の技術を武器に新しい扉を開けて行った。ティン・パン・アレイはそういう集団でした。
「HORO」には達郎さんや大貫妙子さん、デビュー前の矢野顕子さんも旧姓でコーラス参加してます。当時はみんな若くて貧しかった、それぞれの若き日がそこにある、というアルバム。というようなことを書いてました。
当時を知らない方たちに少しでも知ってもらう助けになれば、という感じでした。ゲストには槇原さんとか、BEGINとか、さかいゆうさんとか、かなり若いアーテイストも登場するようです。
ライブは11月26日、国際フォーラム。一昨日、MISIAのライブを見てました。「星空のライブXオールナイトニッポン・スペシャル」と銘打たれていて、ツアーとはかなり違う「オールナイトニッポン仕様」でした。
小坂忠さん、去年、大病を患って復活。今年の夏は野外フェスにも出てましたね。今、69歳。アルバムに参加したミューシャンだけじゃなく、リスペクトする若い世代も一堂に会したリスペクトライブ。歴史的な夜になることは間違いないでしょう。
どんな人たちが出るか、スペシャルサイトが出来てます。ぜひ。というわけで、曲です。アルバム「HORO」から「しらけちまうぜ」。じゃ、おやすみなさい。