初日でした。今日と明日のZepp Divercityが最初の会場。ライブハウスツアーです。ライブハウスの佐野さん、いつ以来だろう。4年前かな。長野のJunk Boxで見ましたね。あの時も良かったんですよ。当然ながら、あの時よりも良かったです。
Zepp Diver Cityはライブハウスの中では大きい方でしょうね。それでいてライブハウス感がある。会場に入った時にアリーナの椅子に目が留まりました。若いバンドだとあそこに椅子を置くことはありませんからね。
そうだよね、そういう年齢層だからな、と妙に納得したのですが、ライブが始まったら、やっぱりライブハウスでした。ほとんどのお客さんが立ちっぱなし。椅子不要だったんじゃないでしょうか。
でも、椅子があって助かったという方も当然いらっしゃるでしょうね。僕も二階で座りっぱなしでした。という話は余談です。良いライブでした。こっちが本題です。素晴らしかったです。2018年のロックでした。
今年の春先にも新作アルバムの「MANIJU」のツアーがあったんですが、行けなかったんです。あの時もTHE COYOTE BANDと一緒にやった曲が中心だったみたいですけど、今日もそういうライブでした。
初日なので中身には触れませんけど、良いバンドだなあという感想。ステージで「もう13年やってる」と言ってましたけど、そういう積み重ねが音になっている。一朝一夕ではこういう呼吸は生まれないことが伝わってくる。
クールでスタイリッシュ、それでいてアグレッシブでビートニック、更にエモーショナルでソウルフルなバンドサウンド、という感じかな。カタカナばっかりですみません(笑)。そういう記号的な言葉で済ましてはいけませんね。
たとえば、感情的になりすぎたりしないんだけど、知的に尖っている。ライブだからと言ってラフに発散しすぎない。でも、それぞれの個人プレイも織り込まれている。ミュージシャンの技量がこれみよがしにならずに感じられる。職人芸というまとまりでもない。
つまりロックバンドなんですね。8ビートも16ビートもジャズもソウルもスカも自在。佐野さんの後ろにいるんだけど、バックバンドじゃない。佐野さんも含めたバンドの一体感がある。自然に体が動いてくる。気持ちよく興奮しました。
この”気持ちよく興奮する”というのが良いでしょうって、押し付けるな(笑)。我を忘れる興奮、じゃないんです。自然にそういう状態になってくる。理性もあって興奮するという感じ。何とも心地よかったです。
お客さんが昔の曲を聴きに来ているという感じがなかったのも気持ち良かったんでしょうね。やる側と聞く側の波長が合っていた。新曲はいいから早く昔の曲を聞かせてよ、みたいなずれがなかった。お互いの”今”がかみ合ったロックコンサートでした。そういう意味でも2018年のロックを聞いた感じでした。
昨日まで「1968年」でしたからね。今日は「2018年」。これが音楽の面白さだと思いますよ。いつの時代にも行ける。音楽がそこに連れて行ってくれる。演奏した曲の内容もそうだったからでしょうね。今の僕ら、の歌でした。
佐野さん、良い言葉を使ってました。「心の10代」。どんな人の心の中にも10代はいます。「心の10代」に時代も世代もないのかもしれません。ライブの同伴者はあなたの心の中の「10代」。良い感じでしょ(笑)。
というわけで曲ですね。2018年の僕らの歌。「紅い月」を。COYOTE BANDと作ったアルバム「Blood Moon」の中の曲です。あなたの心の中のお月様は何色でしょうか。じゃ、おやすみなさい。