恒例の夏のイベント、今年は何と30回目。一回目が88年でしたから昭和最後の年。そして今年は平成最後の年。二つの時代の締めくくりを飾ることになったわけです。来年もあれば三つの年号をまたがるスタジアムライブになりますね。
30年ですよ。同じ会場で行われる野外ライブということで言えば日本で最長じゃないでしょうか。日比谷の野音はあるか。加藤登紀子さんの「ほろ酔いコンサート」はもっと長いですもんね。
でも、スタジアムですからね。野音とは桁が違います。一回やることですら大変なのに、30回は尋常がありません。それだけ人が来ないと成立しません。この日も左右の見切り席までぎっしり入ってました。
しかも年齢層が広い。家族連れも多い。服装もそう。さすがに土曜日ですからスーツにネクタイという人は見かけませんでしたけど、会社員風から遊び人、悠々自適風と千差万別。積み重ねの厚みを感じました。
家族連れというのは当然、30年の間に増えたということなんでしょうね。来始めた頃は恋人同士だった二人が結婚して子供が出来た。音楽も分かるようになったんで一緒に来ている。繰り返しますが、同じ会場で30年です。
と書いておきながら、何を隠そう、実は初めてでありました。隠しているわけじゃないですし、言わなくてもいいんでしょうけど、分かったようなことを書いてるとちょっと後ろめたくもあるわけです。
後ろめたくはないか。どっか気が引けるという程度かな。何でそうなったんでしょうね。8月後半の週末は色んなものが重なりますからね。しかも取材をして原稿を書いたりするものがあるとそっちが優先してしまうのも仕方ないですし。
そういうとっかかりがなかったのかな。取材の話が来なかった。友人のライターがずっと書いていたということもあるんでししょうね。俺が見なくてもいいか、みたいな。変でしょう。でも、そういう”テリトリー”みたいな感覚はやっぱりどこかあるんです。
今年は春畑さんのインタビューもありましたからね。自分の中の必然性があった。「見せてもらえますか」と堂々と言えた。間に合った、という感じでしょうか。平成で見た、ということに意味がありそうです。
平成じゃなくなっちゃうんですよ。しかも、この先どのくらい続くかは保障もないでしょうし。それは人気とかじゃなくて、気候もあるでしょう。社会状況も関係してきます。真夏のスタジアムライブが危険という時も来るかもしれません。
実際に去年のように雷雨で一時間半中断ということも起きました。いつか、平成と言えばTUBEの横浜スタジアムと言われるようになることもあるでしょう。繰り返しになりますが、もう平成じゃなくなるわけですからね。
区切の年ということもあってでしょう、色々盛沢山でした。加山雄三さんが登場したのはびっくりしました。セットリストに「海、その愛」とあったんで、何かやるんだろうなとは思いましたけど、ご本人が出てきました。
盛り上がりましたねえ。大合唱は湘南がほぼ地元という横浜スタジアムならでは。加山さんも気持ちよさそうでした。TUBEの4人が全員加山さんと同じギターを弾いていたのがご愛敬でしたね。そういうユーモア、サービス精神、旺盛でした。
一つのコンサートの中の海のドラマ。思春期、青春期、壮年期、色んな年代の「夏と海」。それも日本の海。ハワイや地中海じゃなくて湘南、日本の海。リゾートという感じじゃなくて海水浴場。その庶民性も含めて、これぞTUBEでした。
だからこそ30回も続いてるんでしょうけどね。クレーンが登場したり、生火をまき散らす円盤みたいな宙づりセットも出て来たり、これでもかとばかりに水柱が降り注いだり。派手なお祭りでした。イベントというよりお祭り。楽しんでしまいました。
改めて思ったこと。TUBEのバラードは気持ちいい。あの抜けの良さや突き抜けるような爽快な広がり。春畑メロデイーというのは厳としてありますね。あの詩とあのメロデイがあってこそ、というのも再確認。今更ですみません(笑)。
「J’S THEME(Jのテーマ)」もやってましたよ。観客の声が加わると一段とカタルシスがありました。あのライブ感はロックとスポーツの共通点でしょうね。野外っぽかったです。スタンドから声がこだましてました。
というわけで平成最後の夏が終わろうとしてます。夏フェス引退が、なんとなく心理的なダメージになってる感じでしたけど、かなり消えました。これで夏を終えられるという気がします。ちょっぴりセンチメンタル。
午前中、大宮のNACK5本社で福耳の完パケをやってから行ったんで、交通費にびっくり、スイカ、あっという間になくなりましたって、いきなり現実でした(笑)。というわけで、曲ですね。
この曲、気持ちよかったなあ。この外連味のなさ、というのかな、のびやかさ切ないほど気持ちよかった。年をとるとこういう感じがどんどん失われてゆきます。「BEACH TIME」か、初めて聞いていい曲だなあと思った曲。こっちかな「潮風の中で」今年もビーチは行きませんでしたが(笑)。いいよ、歌の中にあれば。じゃ、おやすみなさい。