アリとポカリ。

　アリですよ。蟻。モハメド・アリじゃありません、って誰もそんなこと連想しないか。体調数ミリの小さなアリンコ。今、夜中に水分補給のために小ぶりの保冷水筒にポカリスエットを薄めておいてあるんですが、朝、起きたら、そこにアリがたかってました。

　スポーツドリンクはそれだけ糖分があるということなんでしょうね。水筒の周囲だけじゃなくて、液体の中にも浮かんでました。何か獲物はないか探索していて、妙なものを見つけた。果敢にもその中に侵入して水死したということなんでしょう。
　
　アリ、すごいな。枕元に置いてあったデイッシュ・ペーパーにも群れてました。紙にも糖分とかあるんでしょうか。あるいは巣作りの材料に使うんでしょうか。夏だなあという感じですね。集団の力。多少、ひねりつぶされようが大勢に影響がない。

　アリとキリギリスという童話がありましたよね。勤勉なアリと遊んでばかりのキリギリス。夏の間、一生懸命働くアリと遊び惚けているキリギリス。冬になって困るのはどっちでしょう、という人生訓ですね。

　でも、そんなに二者択一みたいには分けられませんよね。アリの中にも遊んでばかりのアリもいるでしょうし、勤勉なキリギリスもいるかもしれません。今の日本のミュージシャンは勤勉なキリギリスという感じかな。

　好きなことをやっているようで、でも勤勉であることを強いられている。強いられなくてもそうじゃないとやっていけない社会になっているって、何の話をしてるんでしょうか。アリですね。アリとポカリ。アリはポカリが好きみたいだ、という話でした（笑）。

　熱中症、大丈夫ですか。西日本、大変です。広島の友人に「無事ですか」と訊いたら、ここは大丈夫だけど、川のある町は大変だよと言ってました。彼の隣の町も壊滅状態で、手伝いに行ってるけど、３５度だよ、と暑さに参ってました。

　東京も大変です。昨日もすさまじくて、体温調節機能が狂ってしまった感じです。今日明日に予定していたapbank　fesも自重してしまいました。自嘲です。情けない。明日、行けないと思います、とメールしたら涙が出てきました。

　去年、熱中症で運ばれたことがフラッシュバックしてしまうんですね。またやるんじゃないか、と思うと心臓がバクバクしてくる。もしそうなったら周りに迷惑をかけるだけだしと思うと慎重になってしまいます。

　自重、自嘲、自粛、無宿、は違うか。もう夏フェスは引退です。そういう時が来たんだなと思います。気持ちは大丈夫でも身体がついていかない。あきらめの夏ね。と書いたら、曲はこれしかないね。サザンで「夏をあきらめて」。

　去年の夏も同じ曲だった気がしますね。毎年あきらめてる。でも、老いるというのは色んなことをあきらめてゆくことなんでしょう。ポカリ狙いのアリはあきらめません（笑）。決勝戦を見て寝ます。じゃ、おやすみなさい。