昨日、見ちゃいましたよね。視聴率、またすごいんでしょう。こういう展開になるのか、という意味で面白かったですね。スリリングでした。同時進行している別の試合に運命を託す。あれは度胸が要りますよ。
あらゆるメデイアで語られてますから、今更、そんな話をしてもとは思いますけど、選択の仕方という意味では見事だったんじゃないでしょうか。試合自体は消化不良でしたけど。それも勝負事でしょう。
じゃあ、勝負に行って失点して敗退した時にどんなことを言われるかを思えば、あれで良かったんじゃないでしょうか。そうなった時の批判のされ方の方が激しかったでしょう。勝負ですから、負けないための戦略というのもあるわけですし。
というようなことじゃ、なくて(笑)。昨日は、NACK5「J-POP TALKIN’」のためのインタビュー、小袋成彬さん。4月に「分離派の夏」というアルバムが出ました。あれから少し時間が経ちますけど、上半期で最も評価の高かったニューカマーという扱いですね。
91年生まれ。ずっとTokyo Recordingsというインデイーズレーベルを持っていて、新しいアーテイストのプロデユースやアレンジを手掛けていた人。これがソロアーテイストとしてデビュー作です。
僕らが彼のことを知ったのは、一昨年の宇多田ヒカルさんのアルバム「Fantomee」にゲスト・ヴォーカルとして参加した時ですね。これ、誰ですか、という感じでしたからね。レコード会社のデイレクターが話を持ってきてくれたという話をしてました。
アルバム「分離派の夏」、面白かったんです。面白かった、は変か。おもしろおかしいアルバムじゃないですから。アルバムのテーマは「少年時代・Boyhood」だったと言ってましたけど、傷の入った古いフイルムとか白昼夢を見ているようなイリュージョン感覚のアルバムでした。
アートとしてのポップミュージックというんでしょうか。遠い夏の失われた記憶。個々の曲というよりイマジネーションの連なり。ファルセットと地声をミックスした、時にモノローグのような歌の言葉の文学的な詩情。普通のポップスのアルバムという感じではないです。
色んなアーテイストのアレンジとかトラックメーキングを手掛けているだけあって音の作り方がアーテイスチック。才能を感じます。タイトルの分離派という言葉は、19世紀にドイツで起きた芸術運動の時に使われていたそうです。
集団や主流とは距離を置いた孤高のアーテイスト活動というんでしょうか。アルバムの中に宇多田さんと一緒に歌っている「Lonely one」という曲もありました。ボヘミアンというか、ドロップアウトというか。二人に共通する精神なのかもしれません。
オンエアは7月後半の二週です。というわけで、明日はNACK5の根本さんの完パケとクミコさんの六本木EXシアター。曲ですね。小袋成彬さん、「分離派の夏」から「E.Primavesi」という曲を。じゃ、おやすみなさい。