・渋谷の文化村オーチャードホール。加山さんの一夜だけのスペシャルライブというツアー。毎回違うゲストが登場する豪華企画の三本目。ゲストは谷村新司さんでした。一緒に「サライ」を歌ってました。初めてだと言ってましたね。
・加山さん、去年80才になりました。4月で81才。今日が東京で明日は横須賀公演という2日連チャン。でも元気でした。あの方はリハーサルから本気で歌うことでも知られてますが、歌いきっておりました。
・普通なら当たり前でしょうけど、立ちっぱなし。ギターも弾いてますからね。新曲からステージでやったことのない新曲まで堂々のライブでありました。まもなく81才。この間、妙に年齢がリアルに感じたのは、この間、エルビスプレスリーのことを書いたせいもあるでしょうね。
・エルビスが生きてれば83才。こんな風に歌えていたかなあと思ったりね。何せ、彼は40代になったばかりてなくなってしまったわけですから、その倍を生きてることになります。でも、なくなる直前のエルビスよりも堂々としてる気がしました。
・加山さんはビートルズと一緒に食事をした唯一の日本人アーテイストですよね。でも、彼はどっちかと言えばエルビス派でしょう。ビートルズ登場以前からロックンロールに親しんでいた。むしろエルビスどっぷりだった。
・彼が日本語の歌で大ヒットを連発する前は英語の曲を書いていたわけで、その頃の曲はエルビスの初期のロックンロールそのものみたいな曲があります。お得意はエルビスという話を聞いたこともありますし。前回のツアーではそれも披露してました。
・カッコイイんですよ。英語の曲が似合っている。英語の節回しが身についている。最初の日本語でのヒット曲「恋は赤いバラ」は元々「DEDICATED」という英語の曲でしたからね。日本の歌という感じじゃない。エルビスのバラードのようですよ。
・ナベプロの渡辺晋さんが「日本語で」というリクエストに沿って訳詞をしたのが岩谷時子さん。加山さんは常々「岩谷さんがいなかったらヒット曲もなかったし、間違いなく今の僕はいない」と公言してます。
・ビートルズと一緒に食事をすることになった時も、「俺はいいよ」と遠慮したという話しもありますね。エルビス派の彼にとっては、そんなに特別な存在ではなかったということでしょう。「会っておいた方がいいよ」とお祖母様に言われてその気になったという話しも有名です。
・でも、80才を超えた大ベテランが精一杯全力を尽くした歌う姿はそれだけで感動しますよ。技術を超えている。声が出てるとか出てないとかという次元でもないです。多少、かすれようが、それ自体がドラマに聞こえます。
・あの堂々とした恰幅が、晩年のエルビスと重なったりしたのかもしれません。同じような体型でも80代と40代では印象が違いますよね。エルビスのドキュメンタリー映画「This is ELVIS」の中になくなる直前に「My Way」を歌うシーンがあるんです。
・お腹が邪魔になってピアノが弾けない。声も満足に出ないんだけど、何とか歌おうとする。その姿が痛々しくて切なくて、映画館で号泣してしまったことがありました。80才の加山さんはそんな悲壮感はないですね。
・もっとポジテイブに達観してるというんでしょうか。無我の境地に近いようにも思えました。それでいてもっと歌をうまくなりたいという前向きさも感じさせる。「海、その愛」の熱唱には涙ぐみそうになりました。
・作詞・岩谷時子。ステージで彼女の話を色々されてました。幸運なことに僕は岩谷さんのことを書いた本も出せました。彼女のことを思い浮かべたりしたのも涙ぐんでしまった要因だったのかもしれません。
・ツアーは4月1日の沖縄まで。80才の最後を駆け抜ける感じです。年が年だから、駆け抜ける似合わないか(笑)。歩き終えます、も変でしょう(笑)。締めくくります、だね。曲です。こんな歌を歌えるのは加山さんしかいません。「海、その愛」。じゃ、お休みなさい。