・すみません、見てしまいました。謝ってどうする、ですけど(笑)。今出来上がりましったというほやほや。編集がギリギリまでかかるんで、ひょっとするとお待ち頂くかもしれません、という中での試写でした。
・以前、プレスリリースの原稿を書くので半分程度まで出来上がったものは見せてもらいましたけど、当然のことながら全然違いました。素晴らしかったです。映画でした。それでいてコンサートよりコンサートらしい。楽しんでしまいました。
・何が素晴らしいか。いくつもありました。リリースにも書いたんですけど、いわゆるライブの再現を目指していない。世の中に多くあるライブフィルムともドキュメントとも違う。普通、前者だとライブに限りなく近づけることが目的になりますよね。
・後者だと客席からは見えない舞台裏とかオフシーンとかを入れて作ります。その人の素顔とかスタッフなどの人間模様を見せようとする。その両者とも違いました。あくまでも下地はライブ。ともかくライブ。どこを取ってもライブ、あくまでライブありきなんです。
・でも、見せ方や捉え方が違う。同じコンサートでありながら、客席で見ているのでは見えなかったりする瞬間的な表情や動作を的確に捉えている。そして、会場で見ているとあくまでも補足的な要素に見えた映像が大きな意味を持っている。新たに映像を加えている。
・ライブでも使われていた、浜田さんの旅する姿や旅先で歌っている場面だけじゃなくて風景もそうですね。そういう映像が随所に使われている。コンサート会場自体が旅をしているようにも見えるくらい。コンサート会場が風景に溶け込んだというんでしょうか。
・撮影はホールツアーの大阪フェスとアリーナツアーのスーパーアリーナなんですが、そういう個別会場という限定を感じない。この会場自体も同じような旅の景色の中にあるんですよ、と言っているような気がする。その空気感、距離感がとっても心地良かったです。
・そう、距離感かな。客席で見ている僕らの視線とステージの浜田さんやミュージシャンを捉えるカメラの距離感。どちらかに過剰に寄りすぎない。浜田さんを過剰にドラマテイックにも映してないしメンバーに対してもそう。
・例えば、ドキュメンタリーにありがちな、滝のように流れる汗とか、息も絶え絶えになっている場面をこれでもかと使ったりというような演出的なあざとさがない。“品がある”というんでしょうか。ふっと何気なく、そういうカットがあったりするんです。そこはハッとするでしょうね。
・でも、全員のほんとに良い表情や動きが捉えられている。ステージのスクリーンでも見えたりもしていたんですが、その瞬間が綺麗に切り取られている。そうそう、この感じ、この動き、この表情、と相づちを打ちたくなる。その切り取り方にさりげない愛情が伝わってくる。
・心地良かったのは距離感とタイミングですね。瞬間的だけど印象的な、「そうそう、こここ」というカットが実に小気味良いタイミングで切り替わる。メンバーや浜田さんの呼吸と一体になって切り替わる感じ。ステージや曲を知り尽くしているからこその編集が全編に渡ってます。
・CDには映像がありません。ライブには映像が付けられました。その次の段階の表現という感じです。全編音楽的なんだけど、CDでもライブでも表現出来なかったことが映像になっている。客席にいるよりもコンサートを感じ取ることが出来る。一曲が終わるごとに拍手したくなる。そんな映画でした。^
・音も良かったです。2月2日の特別上映会の時と同じドルビーアトムスという方式の音は聞いたことのない音でした。スピーカーの数が多いのかな。この辺はこれから勉強しますが、音の中に包み混まれるような豊かな音でした。通常の5.1と両方聞かせて頂いたんですが、これも迫力の音でした。
・「旅するソングライター」完結編、ということになるんでしょうね。でも、一つだけ、老婆心ながら、というのは、長さですね。それぞれが3時間を超えるライブを一本にしているわけですからね。当然、収録されていない曲もある。私の好きな曲が入ってない~というような落胆は映画の感動を損ねるでしょうから、そこだけお気を付け下さい(笑)。
・というわけで、いち早くのご報告。書いても良いですよ、という了解済みです(笑)。来週、映画のキャンペーンに回ります。監督の板屋さんが東日本担当、僕は西日本。大阪や神戸、広島、九州に行って媒体の方とお話させて頂きます。何でお前が行くんだ、とか言わないでね(笑)。伝えたいことは山ほどあります。
・あ、試写の会場で緊張気味だった監督の板屋さんに一言「音楽が見えました」と感想を伝えました。あなたには何が見えるでしょうか。というわけで曲です。やっぱりこれでしょう。「光の糸」を。じゃ、お休みなさい。