・何のことかお分かりですか。社会科などで出てくる産業構造では一次産業。農業・林業・水産業。自然と関わることで成り立っている産業というんでしょうか。工業と商業、金融業などとは違いますね。
・でも、僕らは一字産業。つまり、一字いくらという計算でビジネスが成り立っているという世界。ビジネスというほど立派でもないな。生計と言う方が正確でしょうね。文字数でギャランテイが決まってくるというわけです。
・何でこんなこと書いてるか(笑)。昨日、思わず400字詰め原稿用紙何枚という言い方をしましたよね。今、あんな風に言う人はいないでしょう。拓郎さんのラジオを聞いていたら、拓郎さんは自分の特製原稿用紙を使っていると言ってましたけど、そういう人くらいでしょう。
・文房具屋で原稿用紙は置いてるのかな。なくなることはないでしょうけどねえ。原稿用紙がなくなるということは、当然のことながら原稿用紙換算という計算も成り立たないことになります。そう、成り立たないんですよ。今は、「何文字で」と言われますからね。
・この違い、大きいんです。原稿用紙何枚分というのと何文字というのとは全く違う。なぜなら、原稿用紙には余白があります。仮に一行20文字が入るとしても、10文字くらいで行が変わったりします。極端に言えば「あ」という一文字だけで一行だったりします。
・だから400字詰め原稿用紙一枚でも、実際にマス目を埋めているのは300文字くらいしかなかったりするわけです。作詞家の詞もそうですよね。散文でもそういう言葉や文章の展開やリズムがその人の文体になります。
・「文字数計算」は、そうじゃない。400字というのは400個文字が書かれていないと成立しません。それは「文章」じゃないんですね。物理的な「文字」。個数計算。リンゴでも蜜柑でもなんでもいいんですが、「個数」。この味気なさ。空しいなあと思ったりするわけです。
・まあ、時代の流れと言ってしまえばそれまでなんですが、何とかならないかなあと思ったりしております。せめて行数で言ってくれれば良いのにね。と思ったりしながら原稿を書いてました。行数じゃなくて文字数で(笑)。何とか頑張りました。
・最近、手書きが恋しくなったりしてます。ワープロにしたのが49才の時か。もう手書きは出来ないでしょうねえ。でも、キーボードを叩く指先はもっと怪しくなってますからね。どっちもどっち。頭が先か指先が先かって、寂しすぎ(笑)。
・というわけで、明日は「J-POP TALKIN‘」のASKAさんのインタビュー。10月に今年2枚目のアルバム「Black&White」も出ました。自分のレーベルも立ち上げているんですよ。エネルギッシュな活動への思いを聞きます。
・そして、神田東京堂での「ビートルズが教えてくれた」のトークイベント。ビートルズ研究家・藤本国彦さんと一緒です。昨日の中日スポーツに本の紹介とイベントの告知が載ってました。ありがとうございました。人、集まって頂けるんでしょうか。
・というわけで曲ですね。ASKAさん「Black&White」から「塗りつぶして行け!」。じゃ、お休みなさい。