・昨日は桑田さんの東京ドーム。今日は鈴木雅之さんの中野サンプラザ。両方とも素晴らしいコンサートでした。桑田さんはアルバム「がらくた」を携えてのドームツアー。マーチンさんもアルバム「DISCOVER JAPANⅢ」を中心にしたツアー。ともにツアーの中盤、一番充実している時期でしょう。見応えがありました。
・二人とも1956年生まれ。これはもちろん偶然です。でも、ライブの手応えという意味では偶然じゃない気がしました。二人とも去年が還暦ですからね。60代になって最初のツアー。何よりも音楽に対しての真摯さという共通点を感じました。
・もうそんなに未来永劫にやれるとは思わないと知ったからこその丁寧さというんでしょうか。マーチンさんも今日のステージで言ってましたけど、やれることは出し惜しみなくやっておきたい。その日のベストを出し尽くしたい。二日ともそういうライブでした。
・聞き手に対しての姿勢も若い頃とは相当変わって来ますよね。桑田さんが「みんなも大変だろうけど、頑張ろうな」と何度も繰り返していたのもそういう表れでしょう。彼も逆境を乗り越えてここまで来た。そのことが相手に対しての思いやりになっている。
・桑田さんもマーチンさんも声出てましたからねえ。渾身のシャウトというヤツをとことん聞かせてくれました。歌っている方もこんなに声が出る、と思えることが嬉しいのかもしれませんね。鍛えてるんでしょうけど、そういう素振りは全く見せないというのも共通してました。
・“新還暦世代”とでも言いましょうか。10年前、拓郎さんや小田さんが還暦になった時は、もう少し感傷的な雰囲気もあったように思うんですよ。“こんなところまで来てしまった”的な感慨というんでしょうか。
・もちろん彼らにも感慨はあるんでしょうけどね。マーチンさんは「まさか還暦でこんなライブがやれるなんて夢にも思ってなかった」と言ってましたし。でも、すでに前例がある分、心構えが出来ていたようにも思うんですよ。
・60代をどう生きるか、というビジョン。“ここまで来てしまった”というより“こっから何をするか”、現役としてピークを迎えるということに純化出来ている。頼もしいなあと思いました。でも、二人ともほんとに歌の説得力がすごかったんです。
・技術がある。でも、技術だけではないことも知っている。思いの丈をそこに込めることが出来る。そして、聞き手に対しての素直な感謝も滲み出ている。良いライブでした。毎回、二度と見ることができない、そんなライブになっているような気がしました。
・マーチンさんは自分のルーツを総括するカバーアルバム「DISCOVER JAPAN」シリーズが「Ⅲ」で完結した、その総仕上げ的な意味もあるんでしょうね。ジャンルを超えた名曲を蘇らせてました。
・ということで、マーチンさんの「DISCOVER JAPANⅢ」から「スローバラード」を。ライブで是非お確かめください。絶品です。じゃ、お休みなさい。