・良かったですねえ。27年ぶりという感じがしなかった。思い切り楽しんでしまいましたね。まず、何よりもバンドだった。あ、この音、このフレーズという感じ。一曲目が始まってすぐですね。このシンセなんだよねえ、このリズムなんだよねえ、というわくわく感でしょうか。
・やっぱり80年代のバンドの音っていうのがあるんですよね。シンデイ・ローパーやマドンナで一斉を風靡したエコーがかった横揺れのダンスビート。そこにちょっぴり憂いを帯びたヨーロッパ調のシンセが入る。それが日本の季節感を感じさせるレベッカの音になってました。
・で、そこにNOKKOさんの歌が入る。あどけないんだけど、奔放でエキセントリック。ガールズロックの教科書のようなコケットリー。もう唯一無比。27年という時間を一気に飛び越えてました。昨日、タイムスリップと書きましたけど、まさにそれでした。
・土橋&小田原のコンビは現役ですからね。特に小田原さんのドラムは当時よりも確かでしょう。当たり前ですよね。バンドの土台はドラム。バンドの生命線。それを強烈に感じさせてくれました。ベースのノリさんは音楽から離れていたとは思えませんでした。
・バンドもさることながら、NOKKOさんの声が出ていた。当然のことながら当時のような激しいダンスはありません。動きはあの頃のレベッカではないんですけど、気分はレベッカそのもの。そして声量や歌は、あの頃よりもレベッカらしい。圧巻でありました。客席の大合唱や若い頃よりも声の出ているシャウトやフェイクに涙ぐみそうになりました。
・どんなバンドもそうなんですけど、再結成の落とし穴ってあるんですよね。ファンにすれば集まってくれるだけで嬉しいわけですから、そこで完結しかねない。そうじゃなかったんですよ。当時を凌ぐ歌と演奏で答えてくれる。ミュージシャンシップを感じました。
・でも、80年代は素直になつかしかったですね。色んな新しいものが花開いた。それを目撃出来た。70年代は、僕の方が、そういう余裕がなかったですからね。放送作家としても編集者としても無我夢中。お手本もない、先生もいないなかで目の前のことに精一杯でした。
・自分の名前で仕事が出来るようになったのも80年代でしたし。フットワークも軽くなれた。自由になった気がした。ライターという意味では80年代が青春だったんだなあ、という思いも強くしました。そんなことを思い出しながら。夏の終わりの一夜の夢、でありました。
・どんな夢か。この夢に決まってるでしょう(笑)。「RASBERRY DREAM」を。明日から9月です。新しい気分で臨みましょう。じゃ、お休みなさい。