初めて聞く名前でしょう。僕も初めて見ました。群馬出身の4人組。今年の冬にビクターからメジャーデビューします。彼らのワンマンツアー10本の最終公演。恵比寿のリキッドルームでした。
先月かな。何気なくスペースシャワーを見ていて、これ、誰、と思ったのが彼らでした。その場で検索して、へえ、こんなバンドがいるんだ、と思ったんですが、その時に見たことはほとんど覚えてません。
検索したことが覚えているけど、何を見たのかは覚えてない。昨日、食事したことは覚えてるけど、何を食べたかは覚えてない、というのに近い、近くないか(笑)。何を食べたかを思い出せないのは老化で、食べたこと自体を忘れているのは認知症、なんだそうですって、関係ないか。
貴重なライブを見てしまいました。ツアーファイナルということもあったんでしょう。ワンマンツアーは初めてなのかな。無理がたたっていたんでしょう、声の調子が思うようにならなくて、もどかしそうでした。
ラインでライブ中継もあったようで、緊張とか力みもあったんでしょう、盛り上がりのピークの曲で思うように歌えなかった。その時の対応が感動的だったんですよ。自分に対しての不甲斐なさとか客席への申し訳のなさとかもあって、張り裂けそうな叫びを聞かせてました。
自分でも何を叫んでいるか、演出も計算もない。ともかく一番大事なところで思うようにならなかった、というやりきれなさが爆発した。演奏が良いとか、曲がどうだったという次元を超えた、生涯一度の瞬間を見てしまった、という感じでした。
年々、そういう青臭さに弱くなってるのかな。涙ぐみそうでした。これからどうなって行くんだろうなあとか。この日のことをどんな風に語って行くことになるなんだろうなあ、と思いつつ帰ってきました。
バンドしかない、音楽でしか生きて行けない、そう思っている若者達の渾身の一夜に立ち会ってしまいました。しまいました、ですね。曲ですね。彼らの「夢想家」という曲を。じゃ、お休みなさい。