土曜日でした。昨日ですね。朝、早い便で行ってそのまま会場。ホテルに帰ったのは日付が変わる頃、今日は午前中に戻って、レベッカの85年のクリスマスに澁谷公会堂で行われたライブのコンプリート版映像の劇場上映会のトークイベント。書く時間がありませんでした。
BEGINの「うたの日」は、2000年から行われているイベントですね。日程は決まってます。沖縄戦が終結した慰霊の日、6月23日の週末。その日が何曜日であろうと、その週末に行われます。ちょうど梅雨明けと重なるんで、沖縄の人たちにとっても風物詩として定着しているようです。
”うた”に「ありがとう」を言う日でもあるんですね。沖縄は日常生活と音楽が一体になった島です。どんな時にも歌がある。音楽が流れていて踊りがある。歌う事も踊ることも禁じられていた戦時中でも、人々は密かに歌を楽しんでいた。それがあったからこそ悲劇と苦難の日々を乗り越えることが出来た。あらためて歌に感謝しよう、というのが趣旨ですね。
今年も会場は嘉手納町の兼久海浜公園。海を背にした芝生の気持ち良い会場。梅雨明けらしい良いお天気でした。例年、通常の野外イベントとはひと味もふた味も違うゲストが登場して、BEGINが彼らを紹介しながら進行してゆくわけですが、今年は、ゲストにHYが出たんですよ。
HYは、東屋慶名、今うるま市という場所の出身。2001年にミニアルバム「Departure」でデビュー。2003年のアルバム「Street Story」がインデイーズでありながらオリコンのアルバムチャートで4週間一位になって一躍注目された5人組ですね。
片やBEGINは、90年デビュー。大先輩にあたりますね。デビューシングルの「恋しくて」は、今聴いても名曲です。でも、自分達のやるべき音楽は何なのか、90年代の試行錯誤の中でたどり着いたのが島唄だったわけです。今年は「島人ぬ宝」から15周年です。
世代は若干違いますが、HYも沖縄というアイデンティティに対しては強いこだわりを持っていて、2011年と14年には、地元の子供達も巻き込んだ野外フェス「SKY Fes」も行ってます。ポップスだけじゃなく、沖縄の民謡とかエーサーと呼ばれる踊りや琉球太鼓と一緒なのも両者の共通点でしょう。
BEGINとHY、どこかで一緒になれば良いのになあと思っていたことが、昨日、実現しました。HYはトップバッター。真夏の太陽が照りつける中で登場、若々しく、それでいて客席と一体になった、素晴らしいライブを見せてくれました。
暑かったです(笑)。さすがに炎天下で見ていたのはその時だけ、他の時間は、屋根のあるスペースにいました。3時半に始まって終演は8時半を回ってました。でも日が落ちてからは海っぺりらしい海風夜風が気持ち良かったです。最後は90分にも及ぶBEGINのマルシャショーラでありました。
マルシャショーラというのは、サンバより古いブラジルのダンスミュージック。サンバのルーツ、みたいな音楽、マルシャ。ショーラ、というのは八重山の言葉で”しよう”という意味。日本の古今の名曲を、マルシャのリズムでアレンジしたノンストップミュージックです。
今年の5月に「2」が出たばかり。「上を向いて歩こう」や「旅の宿」「ランナウエイ」から、細野晴臣さんの「ジャパニーズルンバ」みたいなマニアックな曲までつなげてます。この特別版と延々90分。その中には沖縄の民謡とかハワイアンまで入ってました。
流行に左右されない歌、人々の暮らしの中に息づいている歌、沖縄・ハワイ・ブラジルと繋がる”海流の中の歌”。それをステージと客席が一緒になって楽しむ。BEGINがやろうとしていることの象徴のようなメドレー。盛り上がってました。客席、一緒に踊ってました。沖縄の人たち、すごいです。
BEGINとHYが、今後、沖縄を軸にどんな流れを作って行くのか、楽しみになったイベントでした。上空を飛行する戦闘機の音が全く気にならない、そんな素晴らしいイベントでした。というわけで、曲です。BEGINの「三線の花」を。じゃ、お休みなさい。