東京ドームの「LAST GIGS」最終日からちょうど一年。あの日のライブを収めた映画「シンクロニシティ」が公開されました。全国のTOHOシネマが中心なのかな。僕が行ったのは新宿のTOHOシネマでした。
満席でしたよ。映画館のスクリーンに向かって拍手が起きたり、画面と一緒に客席が歌うというシーンはなかなかお目にかかれません。昔、ビートルズの映画が公開された時、画面に抱きつく女の子がいたという伝説はありますが、それに近かったかもしれません。
丸々、一年ぶりですよ。去年、WOWOWなどでもライブ番組とかありましたけど、見てませんでしたから、ほんとにあの日以来でした。感慨深かったですねえ。そうだったなあ、とか、こうだったんだ、とか、色んなことを思いながら見てました。
いや、色んなことは思ってないか、どっちだ(笑)。そんなに考えなかったですね。ほとんど考えないで見ていたという方が正確ですね。お客さんと一緒になって拍手したりしてました。そういう気分にさせる映画だったんですよ。
何で今まで見てなかったかというと、あまりに記憶が鮮烈過ぎた。全7公演を見た、それもリハーサルから見せてもらった。その印象が凄すぎて、他の情報を入れたくなかったというか、追体験したいと思えなかったんですよ。
あの後、ファンクラブの会報誌でレポートを書かせて貰いましたが、あれは、残されたメモを見て思い出しながら書いたんですね。それで終わっていた。完結・封印という感じでしょうか。それもあって、丸々一年経ってから見ることになったわけです。
すごいライブでしたねえ。今更ですけど。こんなに長くやってたんだというのも今更の発見でした。しかも、後半の方が氷室さんの声もアクションもはつらつとしている。東京ドーム、三日間。その最終日だったんですよ。考えられません。
そういう意味ではほんとに楽しめました。もちろん、今までも仕事とは言いつつ楽しい時間でしたが、どっかにガチンコ感がついてまわってたわけです。「お前はこのライブとどう向き合うんだ」みたいな身構え方でしょうか。
良いライブだなあ、と思うことは、じゃあ、何を書くんだ、みたいなプレッシャーもある。今日はそれがなかった。楽しかったのは、そういうこともあるんでしょうね。そうやって見た時に、改めて氷室さんのすごさ、みたいなものも実感しました。
でも、ライブの生中継映像でもないんですよ。実際には、そこではライブもやってないし本人もいない。まさに映画、切り取られたライブ、ではあるんですけど、ライブ感がものすごかった。それは不思議な感じでしたね。
途中でタイトルの意味が分かりました。シンクロニシティ。同時共発。同じ時に、同じようなことが起きている。カメラワークがまさにそれを映像化してました。メンバーや客席、ほんとに色んな場面でシンクロしてるのが伝わりました。
ライブ映像としても秀逸ですね。カッコイイ場面を切り取った、という表面的なことじゃないんです。それぞれがどう繋がっているかが映像化されている。大画面じゃないと分からないことだらけでしょう。
一年前と今が繋がっている、という意味もあるんでしょうね。今だから分かるということもありそうです。夏から全国でフィルムツアーもあるそうです。会場に行けなかった方も是非。一年前の自分を見に行くと思ってもいいかもしれません。
氷室さんは「氷室京介をみんなにお返しする」と言ってましたよね。この映画は「お返しの品」なんでしょうね。というわけで、曲ですね。映画館でも盛り上がりの一曲でした。「PLASTIC BOMB」を。じゃ、お休みなさい。